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ひねくれ者の、
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新木の行動一つ一つに反応してしまう。
少しでも動く気配がすれば自然と体は揺れ、恐怖を煽る
手が離れてから少し冷静になり心中で大丈夫を繰り返す。
そんなもの気休め程度にもなりはしないがしないよりはマシだと思い両の腕で自身を抱きなんとか落ち着こうと努める
と、
「あーーーもーーー!」
「っ」
突然の大きな声にビクッとまた身体を揺らし目を固く閉じた。
しかし声は想像していたこととは違う言葉を音に乗せる
「もーやめやめ!」
「は、」
「だから、もうなんもしないって。ちょっとちょっかいかけようとしただけ!マジにしないでよ」
いつもより荒い息を繰り返してなんとか理解しようとする。
そして新木の離れた気配がしたと思い顔を上げ服を直しているとズイっと何かを差し出される
な、に
「安心してよ、ただの水だから」
いや、安心ってなんだ
「安心なんか、できるか」
さすがに俺だって学ぶ。
また媚薬なんて入れられたらたまったもんじゃない
なかなか受け取らない俺にしびれを切らしたのか持っていたペットボトルを俺の方に放り投げた
「、」
反射的に受け取ってしまう。
手元を見ればまだ震えているもののさっきよりは頭もスッキリして少しホッとする
俺のほうをチラッとみた新木は両手を上げてお手上げだと言うように話し始める。
「確かに翔太のことでムカついてていじめてやろう思ったけど、俺、伊澄のこと自体はほんとに結構気に入ってんの。だから、もうしないって」
「気に入ってるやつへの態度が酷すぎるだろ」
なんて返事をしながらも内心は穏やかではない。
実際に一服盛られて掘られかけてる
またいつあんな風にされるかわかったもんじゃないからな
しばらく経っても一定の距離を開けて近づいてくる気配のない新木をみてそもそも帰るにしてもこいつの前を通ったりしなくちゃいけないことを思い出し落ち着いた頭で考える
手の震えも止まり、やっといつも通りに戻れる
「はあ、」
大きめにため息をつけば少し離れたところにある椅子に座ってスマホを弄っていた新木が顔を上げる
「お?何?わかってくれた?」
「んなわけねえだろ。死ね」
「あはは、辛辣〜!そーゆとこほんと最高だよね〜」
死ねと言われて喜ぶなんてこいつマゾなのか?
ケラケラ笑っているのを見て、もうさっきのようなことはしないのだろうと直感で思った
が、別に許した気はさらさらない
犯された、レイプされたは俺にとってたいした問題じゃない
それは俺自身が間抜けだったって話もきっとあるから
でも、どんな状況でも俺がそういう目にあったという事実に金井は酷く後悔する。
しかも、あいつにも見られたことないのにあんな餓鬼みたいな姿見られて…
あれは金井にも見せたくないけど
つか誰にも見られたくなかったけど
それはまあ置いといて
手元の封の開けられたペットボトルをみる。
新木とは目を合わせずに比較的小さな声で呟く
「みず、ありがと」
その言葉を聞いた瞬間新木は目ん玉がこぼれ落ちるんじゃないかってくらい見開いて、
「あははははははははは!!ヤバい!!ツボった!!ふっ…ぶはっ!!ヤバい、無理、腹痛い!!!ひー!」
腹を抱えて爆笑した。
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