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ミルクティー色の、
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高校に入ってからも中学とあまり変わらなかった
怪我は少なくないけれど、学校に行って勉強してバスケして、毎日その繰り返し
変わったことといえば、俺の隣に常に決まった誰かがいることだ
「翔太!早く部活行くぞ!」
「わかってるって!」
上総は俺と同じ推薦で入ってきたやつで、何度か大会で見かけたりもしていたからお互い顔見知りだった
少し攻撃的なところがあるものの良くも悪くも人を惹きつけるやつだった。クラスも部活も同じで家も同じ方向で帰るのも一緒。
上総はいつも俺の隣にいた。
それが変わったのは一年後、俺達が二年生になってから
部活のチームも新体制に入り、俺たちはダブルエースなんて呼ばれて二人で試合に出れば無敵だった。
今まで一緒にやってきたどのやつとも違って、お互いがライバルで一番信頼できる仲間。きっと相棒っていうのは上総みたいなやつのことを言うんだろうなって内心思ってたんだ。
二年に入ってすぐの頃、上総に一つ年上彼女ができた。
俺たちの学年でも美人で有名な山崎ユカリ先輩
本当にお似合いのカップルって感じだった
当時、俺にも彼女はいたし二年になってクラスも別れ上総と一緒に居る時間は部活の時くらいしかなくなった
、
ウィンターカップ予選直前
俺はスランプに陥った。
何をしていいかわからずひたすら練習した。
どんなに練習しても漠然としない不安に襲われ、練習試合でも今までありえないミスを連発して周りも見えなくなって
やりすぎだ、と言われることも無視して練習し続け、チームメイトともギクシャクし始めた。
遂には、身体があげる悲鳴のサインにも気づかなかった。
やっとそれに気づいたのは大会真っ只中
試合中ボールに手を伸ばし足を踏み出した時、バンッと聞いたことも無い大きな音が鳴った
初めは理解できなかったけれど鋭い痛みで体は傾き俺はその場に崩れ落ちるように倒れた。
すぐに救急車で病院に運ばれ。
診断結果はアキレス腱断裂
何がエースだ、大切な試合でチームメイトに迷惑をかけて
結果は予選敗退
先輩たちにとってはこれで最後の試合でもあった
怪我は幸い治療とリハビリを続けて完治した
けれど、俺が部活に戻ることはなかった。
チームメイトに合わす顔もなく何より、上総に会うのが怖かった
けれど、同じ学校で会わないなんてことは絶対無理な話で
「お前、なんで部活来ないんだよ」
「……。」
「怪我だって治ったんだろ?」
俺にはもうわかんなくなった。
楽しかったはずのあの景色が眩しくなった
たかが怪我の一回でと思われるかもしれない
でも俺にはバスケをやって輝いてる想像も何も出来なくなって
「俺がいない方がチームもいい感じだし、俺はもういいよ」
「は?」
「もう、いい」
「意味わかんねーよ。おい、待てよ!翔太!」
俺は逃げた。
向き合おうとしてくれた上総からも好きだったバスケからも
それからだ、楽しくないのにヘラヘラ笑って、別に遊んでたわけじゃないけど言われるがままに女の子と付き合ってフラれての繰り返し
そして、あれは三年生の卒業間際
どういう訳かユカリ先輩に呼び出された
オレンジに染まる誰もいない教室で押し倒された
その頃の俺はひどいやつだったんだと思う
なんにも楽しさを見いだせずにただただ一日が過ぎるのの繰り返し
唇に当たる柔らかい感触とか
俺に触れる自分よりも小さくて綺麗な手だとか
甘ったるい匂いだとか
上総の彼女だとか
全部どうでも良くって、抵抗もせずにいたんだ
そうしたら、勢いよく教室のドアが開いた
鍵、かけてなかったのかよとか考えてた。
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