アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
平凡な日常2
-
『おい!!お前達遅いぞ!!』
『待ってくれ…俺達はお前のように山を走れない』
『てか吉法師は山猿だろ』
『ふっ…そんなに貧弱では天下はとれんぞ?』
『また言ってる…山猿の考えは突拍子がないよ』
『だが本当にそれが叶うのなら凄いだろうな…ほぉ?これは…凄いな』
『だろ?』
『ふー……おぉ!!すっご…』
『ここは高い所にあるからな…ここからなら町全てが見渡せれる。俺はな…この世界に君臨している上の者達が嫌いだ…』
『お前は…』
『誰かに聞かれたら大変だよ?』
『ふっ聞かせておけ…何故位の低いものは死なねばならない…無駄死にになんの意味がある…。どれだけ位が低くとも同じ人間だ』
『お前のその考えある意味尊敬する』
『そうだね…同じ…か』
『どんなにこの手を汚そうとも…この身体が赤く染められようとも俺はこの手で掴み取ってやるさ…天下人になって誰一人として無駄死になどさせてたまるか』
幼き頃そう誓った。
『信長様!!』
『信長様だ!!』
『ありがとうございます信長様!!』
『織田殿』
『織田信長様』
そして天下人へとなり俺へ眼差しは大きく変化し,俺の願いもあとすこしという所まで来ていたんだ。
俺もやっと人々から好かれるようになったのだ…そう喜んだのを覚えている。
だか…あの日本能寺にて。
結局俺は自己満足の塊だったのだと知った。
『最後の時まで我々が憧れた強く気高く…そして負け知らずな貴方で居てください』
そう儚く笑い俺の代わりに死んだ。
俺を生かすために多くが目の前で犠牲になった。
慣れていたはずなのに…老いぼれた俺などをかばって死ぬなど…結局無駄死にじゃないか……。
そして数十年間俺は姿を隠し世界を見つめていた。
しかしやはり俺は死ななければならない存在なのだ。
そしてそれを望んでいたはずのお前らが何故そんな顔をするのだ…。
『信長様ーーーー!!』
信吉「ッッ…はっ…はぁ……はぁー…夢か」
目覚めは最悪だ…。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 37