アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
20
-
「隆二が言ってた通り、君面白いねっ!
あたしそういうちょっとアホな子好きだよ」
ニコニコしながら言う。
「あたしは藤井 美香っていうの。
君の名前は?」
「俺は佐藤 純平です」
「純平くんかー!ふふ、いいね、楽しそう!!
君にそれなりの覚悟があるなら、このお姉さんが協力してあげよーじゃないか!」
でもね、と美香さんが続けた。
「隆二を好きでいるのは、君にとって辛いことになるかもよ?中途半端なら、辞めといた方がいいとあたしは思う。
何にも知らないまま、忘れちゃった方が幸せな事もあるんだよ?
きっと、まだ引き返せる。」
先程までの笑顔が消えて、至極真面目に美香さんが言う。
(りゅうじさんを忘れる…)
この数週間、頭の中を支配していた彼の事を考える。
まだ何も知らない、ちゃんと話をした事がない彼。
好きだと自覚したのはついさっき。
このまま、出会わずにいたあの頃に戻れるのだろうか。
彼の事を知りたいと思う。
一緒にいたい。
漠然とそう思う。
そんな気持ちに正直にいたい。
相手は同性だ。
きっと悩む事も多いだろう。
(それでも、俺は…)
「りゅうじさんの事をなかった事にはしたくないです。
俺は馬鹿だし、考えが甘い所もあります。
悩んだり、もしかしたら後悔する事もあるかもしれないけど、
それでも、この気持ちは大切にしたいです。
協力してくれませんか?」
美香さんの目を見て伝える。
美香さんがニヤリと笑った。
「いいよ、少年。よく言った!」
俺はとても心強い人を味方につけたのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 34