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◇22
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わざと時間をかけて誠司の家に向かう。
誠司の部屋はアパートの2階だ。
誠司のアパートにつき、部屋に行くために階段を登る。
ふと前を向くと小柄な女性が階段を降りてきているところだ。
すれ違った瞬間、嗅ぎなれたシャンプーの匂いがした。
(…そういうことね。)
またいつものやつか。
誰かいるなら僕なんて呼ばなくてもいいじゃないか。
悲しいし、悔しいし、苛立つこの想いをどうすればいいのか。
無駄にいい頭を、僕にバレないように酷使すればいいんじゃないのかな。
零れそうになる涙をぐっ、と堪える。
アイツの前で泣くのは、最初に浮気が発覚したときだけだ。
ちっぽけな僕のプライド。
アイツの前でなんて泣いてやらない。
こんな惨めな想いをさせられてて、これ以上どんな失態をアイツの前で晒せるだろう。
(もう家に帰りたい…)
少し家の前で落ち着いてから家に入ろう、と思っときに
「おー、隆二。
やっと来たー
俺、待ちくたびれちゃったよー」
何故か家の外で待ち構える、一見爽やか好青年に見える僕の恋人が僕に声をかけた。
(なんでこんな時だけ家の前で待ってるかな…)
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