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気になる
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話を聞いた南はすごく驚いていた。
少ししたら南の大きな瞳からは大粒の涙が零れてきて焦る。
「え、南!?やっぱ嫌だった?!」
「ち、違くて…嬉しくて…」
南はなんどもありがとう、ありがとうと言っていて、とりあえず怒ってないことに安堵した。
「僕っ、あの家が嫌で逃げ出してきたから、こんなことになるとは思ってなかった
確かにみんな僕の家族だけど、僕はもう家族だと思えなくてっ、正直、ずっと他人だと思う様にしてた
だから、ほんとにありがとう
ッこんなこと思う僕って酷い…かな…」
「南はそれ以上のことをされたんだし、そう思っても仕方ないんじゃないかな…」
「ふふ、そっか」
気が楽になった南は嬉しそうに両手を口元に持っていき、くすくす笑っていた。
…可愛い
南の何気ない仕草がいちいち可愛くてつらい
でもそんなことを気にしてたら南が不思議がるだろうから俺は必死になんでもないようなフリをした。
さっきはつい南の可愛さで頭を撫でてしまったが、南がほんのり頬を桜色に染めていてしまった、と焦った。
南のおっちょこちょいな所を指摘したが南は恥ずかしかったかもしれない。
やってしまった…と
でもそれと同時に無意識で頭を撫でてしまった俺に恥ずかしくなったし、南を意識しだしたのに何してんだ!って気持ちが俺の心を占めてしまい顔が赤くなったのが俺でもわかった。
すぐ飲み物飲んで誤魔化したけど。
これからはそういうのを避けないといけないな…と思ってるとあることを思い出した。
そう、南が眠ってる時に考えていたこと。
「なぁ、南。俺たちは一緒に住んでるんだし隠し事はなるべくなくそうぜ。
それに気になることとかあったらいつでも言って」
「……なんでも?」
「うん、なんでも」
そう言うと南はモジモジしだした。
可愛いけどどうしたんだ。
「えっと、初めてハルの家に来た時に思ったんだけど、ハルって一人暮らしだよね…?」
「うん?」
「けど、食卓に椅子が二つ並んでたり、同じ皿があったりして、気になってた…」
「あ〜…」
納得した。
でもここは下手に誤魔化してもダメだと思い正直に言う。
「昔は、彼女とそこに住んでたから…ね。」
「そ、そうなんだ…」
「でももう別れたし会ってもないから、さ」
俺は何を言ってるんだ
南になんて言って欲しいんだろう
訳が分からなくなる
南が起きた時に先生に報告をしておいたのだが、今来たのだろう。
コンコン、とノックがされた。
先生と看護師が部屋に入ってくる。
だが俺はそこで知ってる顔を見つけた。
相手も気付いたようですごく驚いている。
そう、先生の後ろにいる看護師が俺の元カノだったから
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