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「南、落ち着いたか?」
南はこくりと頷く。
「なんで俺が原因かまだ言えない?」
またこくりと頷く。
奏斗は普段怒らないのに、南に怒っていた。
それはきっと南のことが大事だから、ちゃんと向き合っている証拠だと俺は思う。
奏斗は今スマホを持っているだろうか…
俺は南にバレないようそっとメールを送ってみた。
すると10秒もしないうちに返信が…
早すぎではないだろうか。
奏斗も表面上では落ち着いてても、内面はきっと動揺している。
多分、奏斗も南と喧嘩するとは思わなかったのではないだろうか。
現に【少し時間が欲しい】と送られてきた。
了解、と送ったあと、俺はベッドの上でちょこんと座っている南に向き合う。
病室では気まずい沈黙が流れる
俺は何も知らないから下手に言ってしまうかもしれない。
今は黙った方がいいのは分かる。
だが、南も何も話さない…
南はずっと下を向いているが、小さな声でも俺は大切な人の声を耳が拾った。
「…これ聞いても、僕のこと嫌いにならないでね」
「当たり前」
そしてやっと顔を上げ、南は下手くそに笑った。
話を聞いて納得する。
俺がここで仕事したのが間違いだった。
3年前から由理花は精神が不安定になっている。
このままでは南の身に何が起こるか…
俺は由理花の対策を必死に考える。
俺が考えてると今度は南は悲しそうな顔をした後、泣いてしまった。
泣かせて…しまった…。
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