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悪魔は静かに*ハルト目線*
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ハルトは騎士を呼びに行ったヒスイ様を見送ると賞金首の男の方を見て数日にあったことを思い出す
地獄だと思っていた毎日があの人…ヒスイ様にあって変わった
綺麗な服に食事、ベッドで眠ることができている
何よりもモノクロだった世界に色をあたえてくださったヒスイ様。汚い俺にも優しく笑いかけてくれるヒスイ様
きっとどんなことがあっても俺はあの人の傍に居るんだろう
だから、あの人の傍にいられるようにあの人の前では綺麗な自分でいよう
誰かあの人を汚すと言うなら俺が排除しよう
あの人は綺麗なまま笑っていて欲しいから
俺だけの神様…
そんな仄暗い気持ちで考えていると賞金首の男がうるさく怒鳴り始めた
「おいっ!この縄はずせよ!!ちょっとガキ売っぱらっただけだろうがっ!!死神に捕まるなんざごめんだっ!!」
「静かにしてくれない?」
男は騒ぐばかりで人の話も聞かない
あぁ、なんて醜い
仄暗かった気持ちがどんどん暗くなる
ヒスイ様が捕まえて下さったのに喚くだけの男
普通なら賞金首は良くて重症か死ぬしかないのに…
こんなかすり傷だけだなんてありえない
せっかくの慈悲なのに何でこの男は分からないかなぁ?
「おいっ!聞いてんのかよっ!!」
あぁ、うるさい
「そんなにあの人に捕まるのが嫌なら俺がだまらせてあげるよ…」
俺の低く呟いた声を聞いた男はビクリと肩を震わせるとそろそろと俺の目を見てくる
暗い路地裏の中怪しく光る金の瞳だけが静かに男を見つめる
その男はガタガタと震えだし
その瞳を見ながらポツリと…
「悪魔だ…」
そう呟いた後、男は意識を失い暗い闇に落ちていくのだった
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