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Episode 7
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「あっ如月先生。お世話になっています」
病室に1人戻った浅葱を待っていたのは主治医の如月。
優しげな瞳、容姿は若々しい。年齢は33。
4年前に前任から鴇を引き継いだ如月に、浅葱はよく懐いている。
「こちらこそ」
ベッドの傍らに立つ如月の隣へ行き、高身長を見上げる。
「先生、兄はいつ目覚めるんでしょうか」
行き場のない漠然とした不安を、意味がないと分かっていてもぶつけてしまう。
如月は困ったように微笑み、視線を鴇へ向けた。
「声を、たくさんかけて下さい。呼ばれるようにして目覚める患者さんはかなり多いんですよ」
遠回しに、現状維持を伝えられる。
出口のないトンネルを歩かされているようだった。
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