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Episode 15
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バタン。
耳にこびりつく罵声は反響してボクを苦しめる。
満足した女は出て行った。
新しい男に買って貰ったのだろう、赤いピンヒールを引っ掛けて。
あの女とボクは、何が違うんだ。
部屋に強い香水の臭いが漂っていることが不快で窓を開ける。
満ちた月が腹立たしくて仕方ない。
あんな女から産まれなければ、ボクはボクじゃなかった。
好き好んで産まれたわけじゃない。
深呼吸を繰り返すが、今日はいつもより乱されて戻らない。
「……くそ……」
ポケットに入れてあるスマホが振動し、ラインの受信を知らせる。
柊だ。
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