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Episode 34
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「諦めさせてもくれないなんて……狡い……」
「……俺が、諦めさせてやろうか?」
押し黙っていた柊が顔を上げる。
ぞくり、背中を冷たいものが駆け上がった。
何もかもを諦めた、それでいて決意をした顔。
冷えきった、顔。
「ひ、いらぎ……?」
「俺は、お前のためなら何だって出来るよ」
終わらせることだって、怖くない。
お前が望むなら。
柊の瞳が雄弁に語る。
闇を孕んだ瞳に浅葱は怖気付いた。
「愛してる、浅葱。昔からずっと」
正面から向けられる愛に耐えられず、俯く。
柊はこんな男だっただろうか。
「お前を失うことが、俺は何より怖い」
ただの少しも動揺はなかった。
「浅葱。俺と、付き合って欲しい」
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