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Episode 43
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「……柊、どうしてボクを好きになったの?」
告白の翌日、柊はいつも通りという顔を崩さずに浅葱に会いに来た。
彼なりの気遣いと期待なのだろう。
「んー……ずっと一緒だからって理由じゃ、お前は納得しないんだろ?」
にやりと笑みを浮かべて浅葱を見据える。
その目に、一切の躊躇はなかった。
「俺は、お前がいないと生きられないんだ」
浅葱が恥ずかしくなるほどに真っ直ぐ見つめ、大真面目に言ってみせる。
一歩間違えれば、否、既に依存である。
大きく骨張った手が、身体を起こす浅葱のふわりとした髪を撫でる。
それが堪らなく心地良くて、無意識に掌へ頭を押し付けてしまう。
猫のようだ、我ながらそう思った。
「……ボクもね、柊がいなきゃ生きていけない」
仄暗い悪夢を抱えて生きる、この苦しい世界に於いては。
無条件の愛と、利用することを許してくれる柊は浅葱にとって必要なのだ。
無論、全ての事情を取り除いても柊を愛している。幼馴染として、親友として。
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