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Episode 60
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「ただいま、浅葱」
返答はない、恐らく眠っているのだろう。
疲弊していると指摘され、しかし反発はなかった。
すとんと、腑に落ちてしまった。
「……浅葱」
ベッドではなくソファで眠る浅葱へ、手を伸ばす。この手で、お前の兄貴を殺すつもりだったんだと。
いっそこっ酷く振ってくれないか。
いっそ冷たく罵倒してくれないか。
俺はお前に、愛されたかった。
お前が誰でも良い誰かに愛して欲しかったように、俺は、お前が俺だけを選んで欲しかった。
「柊、おかえり」
はっとして我に帰る。
眠たげに開かれた瞳は俺を見ていた。
「ただいま」
浅葱。お前は、どうすれば俺を愛してくれる?
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