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重ならない想い
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この状況を、教室にいた生徒たちは興味深げに見つめる。もちろん、タケルにクッキーを渡した女子生徒もすぐ傍で不思議そうな顔をする。
なぜ高支那がこの場に来たのか分からないといった表情だ。
すると高支那は何を思ったのか、タケルの机に置かれたクッキーの包みを掴み――
「こんなものを貰っていちいち喜ぶな」
険のある声でそう言うと、僅かに距離のあるごみ箱へとそれを乱暴に投げ捨てたのだった。
これにはさすがにクラス中が騒然とした。傍にいた女子生徒も驚きのあまり呆然と立ち尽くす。
タケルはカッとなり思わず声を荒げた。
「誰が喜んでんだよ!勝手なこと言うな!」
タケルの黒髪に見え隠れする、大人びた切れ長の目が高支那を睨み上げる。
その鋭い瞳を真っ直ぐ受け止めた高支那の目がスウッ…と細められたのを見て、タケルは一瞬ゾクリとした。
その直後だった。
高支那はいきなりタケルの後ろ髪を鷲掴みにし、もう片方の手で顎を上げると、そのまま強引に唇を奪ったのだった。
それを目の当たりにした周り中の生徒たちは、皆タケルと高支那に釘付けだ。
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