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独占欲
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その大きな矛盾がタケルを苦しめていた。そして、歯を食いしばり声を漏らさないことが、今のタケルに出来るささやかな抵抗だったのだ。
その複雑な思いを知ってか知らずか、高支那は口元に冷笑を浮かべると、淡々と告げた。
「声を出さないつもりなら、出さずにはいられないようにするまでだ」
それを聞いたタケルの双眸がビクンと跳ねる。そして全身にじっとり嫌な汗が滲むのだった。
その時――
扉一枚挟んだ廊下から、何やら人の話し声が聞こえてくる。
タケルはハッとして一瞬身体を強張らせた。
声の主はどうやら女子生徒2人のようだった。笑いながら他愛ない話をしている。
その声が徐々に近づき、タケルは焦ったように身をよじったが、高支那はタケルを解放する気はさらさらないようだった。
それこそまったく動じることなく、むしろこの状況を楽しんでいるようにさえ見えた。
タケルの表情が強張る。
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