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秋の話 1
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秋 高校3年
「えーーーっ!!
それ本気で言ってんの?!!」
「ごめん!秋!今日塾いきなり入ってさー。
また今度、ご馳走してくれる?」
「……別にいいけど……。」
「やった!じゃな!」
友達が、拝みながら走って行く。
塾、塾、家族とパーティ、家の用事、恋人とデート、最後は塾!!
6人のダチ、これで全滅じゃん!!
クリスマスイブなのに!!
うー、せっかくだからいつもより高いところ予約してたのに!!
奢るって言ったのに…!
はあーー…。
別にいいけどさ!
まぁ……理由あるからしゃあないか。
あーあ。
いきなり暇。
ひま、ひま、ひまーーーーっ!!!
「お?秋、帰んねーの?」
あ、カモ見っけ!
しかも、3人!!
「良かったらさ!一緒に遊ばねえ?
奢るからさ!!」
どうだ!!
3人は顔見合わせて、
「…ワリイけど俺たちカラオケに行くんだ。」
「そうそ!潤なんかに負けねーぞ!一番高い点数は俺のもんだー!」
「なにを!返り討ちにしてくれる〜!」
おお!面白そう!!
「じゃあな!秋!またな!」
「え……?待てよ?!俺も混ぜろって…」
…………行っちゃった。
…人通り多くなって来たし…
…俺の声…聞こえなかったんだな…。
……しようがない。
家へ帰ろ…。
考えてみれば…こんな早い時間に帰るの久しぶり。
いつもいつもダチの誰かと、寄り道してるから。
…なんか…イブなのにな…。
「……ただいま。」
「…お帰りなさいませ。」
見ろ!お手伝いが変な顔してる…!
いっつも帰り遅いしなー、はぁぁ…。
「…お食事は?どうなさいますか?」
「あ、食う。
……親父とばばあは…?」
「旦那様は、会社のご友人とお出かけです。
奥様は、サークルのパーティで…」
その時、部屋のドアが開いて、
「和江さん、あのチョーカーどこにやったか覚えてる?…あら、帰ってたの?」
「……ただいま…。」
……ばばあだ。
相変わらず、派手なカッコ。
「ああ、これこれ。ありがとう、和江さん。
今夜は帰らないから、あの人も出かけているんでしょう?
もう、それ終わったら帰っていいわ。
じゃあね、秋。」
「……ハイハイ。行ってらっしゃい。」
どーせ、若い恋人とデートだろ?
お熱いことで。
ばばあと会うの、ひっさしぶりなんだけど。
んで、俺、今日通知表もらって来たんだけど…。
ま、いーけどね!
どーせ、悪いし!
「和江さーん、俺、やっぱ晩飯いいや。
いいよ、帰って。」
「でも、坊っちゃま…。」
「いーよ、気が変わった。ご苦労さん。」
お手伝いが、一礼して出て行く。
帰りたいオーラ出てるのバレバレなんだよ。
ま、イブ…だもんな。
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