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まだかな、まだかな。
1時間近く前に仕事が終わったって連絡があった。
着替えも、晩御飯も、全部準備して玄関に置いた。
服もチェックして、髪も確認して、落ち着かなくて部屋をウロウロする。
ピンポーン。
きた!
階段を駆け下りると、お父さんが玄関を開けていた。
「こんばんは。初めまして、山下と申します。」
「大輔さん!」
お父さんのとなりに立って、そわそわと見上げた。
山下さんはスーツを着ていた。
「光太郎さんと仲良くさせていただいております。」
「うちの愚息がお世話になります。」
「いえ、とても素直でまっすぐな、素敵なご子息でらっしゃいます。今夜は外泊をお許し頂いてありがとうございました。」
山下さんがそう言うと、お父さんが笑った。
「まさかこんなに歳の離れた友人が迎えに来られるとは思っていませんでした。おかげで安心してお預けできます。」
「いえ、わたしこそこんな夜分に迎えに来まして申し訳ありません。美容室を経営しておりまして、なかなか迎えに来れずにおりました。」
まだまだ続きそうな話に焦れた。
「お父さん、もう出かけていい?」
そう言うと大人ふたりは吹き出した。
「わかったよ。山下さん、今度ゆっくりお話ししましょう。ほら、行ってこい。」
「うん!」
大輔さんの腕を取って引っ張っる。
大輔さんは、俺の荷物を持ってくれた。
「では、お預かりします。明日も送って参りますので。」
「すみませんが、よろしくお願いします。」
やった!
これから楽しみにしていたお泊りの始まりだ!!
玄関を出た後、光太郎は山下の背中をうきうきしながら追いかけたのだった。
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