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side??
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「ねぇ、そこのおっさん。うちの生徒に何してくれてるの?」
俺は強気にかつ、この男の子に恥をかかせないために周りに聞こえないよう声を発した。
痴漢は焦ったようで、ピタリと動きを止め、いかにも自分じゃない様を装っていた。
………なめてるのかこいつ。
「ねえ、耳ついてるの?このまま駅員のところいこっか?」
俺は更に痴漢に圧をかける。
すると、とうとう自分だとバレたのを知ったのか
痴漢「いっ、なんだ君は!い、言いがかりはよしてくれ。しっ失礼するっ。」
そう早口に言うと、痴漢は人混みを掻き分けて何処かへ行ってしまった。
追いかけることもできたが、痴漢より、まずはこの子を優先したほうがいいだろう。
「チッ…あいつ、見つけたらタダじゃおかないからな。」
男の子の方に顔を向けると、ホッとしたのか恐怖が遅れてやってきたのか、顔が心なしか青くなってしまっている。
「ねぇ、君大丈夫?」
「はっ、はいっ。ありがとうございました…も、もう全然大丈夫ですっ」
そんなに顔を青くして震えておいて、何を言っているのかこの子は。
無理して笑う顔に、ひどく胸が締め付けられた。
……無理する必要ないじゃないか。
「………うそ。君震えてるよ。」
トンっ
そう思った瞬間、俺は無意識に彼の顔を自分の胸に押し付け、抱きしめていた。
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