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不法侵入
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僕が一生懸命お花さんたちを眺めていたら、
後ろの方でジャリっと靴音がしました。
僕はその音を聞いた途端、サッと青くなり、背中にダラダラと汗が流れるような気がしました。
なんて言ったって僕は不法侵入です。
先生だったらどうしましょう…特に生徒指導の先生とかだったら僕は木刀で指導されてしまうのでしょうか…!!
僕は木刀で喝を入れられるよりは、自首をした方がマシだと思い、ギギギギとなりながら首を後ろへ向けました。
?「こんにちは。珍しいお客さんだね。」
そこにはこれまたお綺麗な男の人がジョウロを持って立っていらっしゃいました。
少し色の抜けた茶色の、一本一本が細くサラサラとした髪に、すらっと高身長で目元はとても優しそうな方です。
僕「あっあのっ、ご、ごごご、ごめんなさいっ!!!」
僕は泣きそうになりながら急いでここを立ち去ろうと、立ち上がりました。
?「…ん?あぁ。君みたいな可愛い子は大歓迎だよ。そんな急いで行こうとしないで…?」
えっ……
おそらく先輩でしょうか…
コテンッと首を傾げていうセリフは、あまりに甘すぎるものでした。
それが似合うのですから、尊敬します…
?「僕もそっちに行っていい?」
僕「あっ、はっはいっ!すみませんっ」
僕は先輩がこっちに来ると思い、僕は邪魔だと思ったため、花壇から離れようとしました。
?「何してるの…?君も一緒にお花に水あげようよ……ね?」
そうすれば、(多分)先輩は、逃げようとした僕の腕を取り、僕が元いた場所に引っ張りました。
僕「あ…あの……いいんですか…?」
こんな部外者が居ていいのだろうか……
?「何言ってるの?さっきも言ったでしょう?可愛い子は大歓迎だって」
かっ、可愛い子っ……
お世辞だとわかっていてもプシューと顔が赤くなってしまいます…
僕は息を潜め、(多分)先輩がジョウロで水をあげるのを、静かにみていました。
やっぱり、さっき僕がお話ししていたお花さんたちもさっきより輝いています…!
会話もなく、ただ水がジョウロから流れ出て、草や葉っぱにあたる音が響く空間が、僕にはとても心地よく感じました。
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?「僕の名前は広瀬 藤(ひろせ ふじ)」
しばらく2人でしゃがんでお花を眺めていたら、
急に(多分)先輩が名前を言いました。
僕「あっ…ぼ、僕は星野 春ですっ」
広瀬「春くんね……いい名前。君、植物は好き?」
僕「えっと…、多分好き…です。キラキラしたお花さんたちを見ていると、こっちまで嬉しくなります。」
広瀬「……そっか、実はね、ここは園芸部なんだ。」
……あっ!ここは園芸部が管理しているのか!
僕「そうだったんですね!凄くお手入れされているなぁって思ってました。」
広瀬「ふふっ、ありがとう。それでね…春くんにお願いがあってね…、」
ふぉぉぁあ!!広瀬先輩の笑った顔…!
美しすぎまふ…!!
広瀬「春くんも、園芸部に入らない?」
ふぁっ……ってえ?
僕「えっ、ぼ、僕がですかっ、」
広瀬「もちろん、今じゃなくていいよ。春くんって新入生だよね…?いつでもここに来ていいから、返事聞かせて…?」
僕「あぅっ、はいっ」
まさか、急に園芸部に誘われるとは思ってもいなくて、ましてや僕は部活は何もしないつもりでいたのです。
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