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萩野「…………俺の………春」
僕「…………っ……」
そう言って、萩野先輩はおでこを合わせたまま、僕の顔を覗き込んできました。
僕は嬉しさと恥ずかしさが混ざって、とにかく真っ赤だったと思います。
今は花火の音よりも萩野先輩が近くて格好良くて僕はいっぱいいっぱいでした。
僕「ぁぅ……、全部……、先輩のです……っ///」
萩野「………………」
僕は照れながら今の精一杯の気持ちを伝えました。
すると、萩野先輩は僕の耳を押さえたままフリーズし次の瞬間には僕の頭を抱え込んで、萩野先輩の肩に押し付けていました。
僕「………わぷ……っ」
萩野「…はぁ………ほんとやめて…心臓に悪い」
僕「……ぅえ…?ご、ごめんなさい………?」
僕はモゴモゴと先輩の肩に埋まったまま様子を伺いました。
萩野「なんか……、春相手だと返り討ちにあった気分になる…………」
萩野先輩はそう言って不機嫌そうにしました。
…………返り討ち………?………僕何かしちゃったかな…………
僕「………?ごめんなさい………?」
とりあえず謝るしか僕にはできませんでした。
萩野「……………天然だもんなぁ………」
僕「…………?」
どことなく萩野先輩と話が噛み合わないのを感じ、僕はじっと黙ることに決めました。
それでもしばらく萩野先輩はブツブツと何かを言っていました。
次に気がついた時には、花火が終わってしまっていました。
それでもまだ僕は抱きしめられたままでいました。
その空間がすごく心地よくて、まだこうしていたいと思ったのです。
萩野「……………、春」
急に萩野先輩に話しかけられて、僕の肩はビクッとなりました。
僕「はい………?」
萩野「来年は、遠くから花火見に来ようね…」
と、萩野先輩は優しい声で言いました。
僕はその言葉に涙がこみ上げてきそうになりました。
…………ら、来年………っ
萩野先輩からその言葉が出てくるということは、萩野先輩は来年も一緒にいてくれると考えているということです。
これ以上に嬉しいことはありません。
ですがそれと同時に、花火という単語で僕の先ほどの醜態を思い出してしまいました。
僕「…………ぁ……っ、は、萩野先輩…….、ご、ごめんなさいっ…、ありがとうございました……」
僕は腕に力を入れ、萩野先輩の肩をぐっと押し、もうここから退くという意思表示をしました。
それにあっさり従った萩野先輩のおかげで、僕は顔を上げることができました。
萩野「……もう大丈夫?」
僕「……は、はい…….、ほんとに、ごめんなさい…………」
僕はこう何度も醜態を見られていては、そろそろ萩野先輩に気持ち悪いと思われてしまうのではないかと不安になってきてしまいました。
そんな僕の顔が沈んだのを察したのか、萩野先輩は僕の頭を撫でてくれました。
萩野「……………正直言って、可愛かったし……、……………欲情した………」
僕「……よ、よくじょう……っ!?///」
萩野先輩は真顔で変なことを言いだしました。
萩野「でも……、俺以外のやつでああなった春を見るのは、辛かった……」
僕「…………っ」
萩野「だから、来年からは絶対遠くから見よ…」
萩野先輩はニコッと少し照れながら笑いました。
僕「………はい……っ」
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