アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
俺の3
-
もう少しで俺たちが頼む番、という時に、春が俺の手を離す素振りを見せた。
春「……あ…、僕今のうちに自分のりんご飴買ってきますね」
………この子は……
春は申し訳なさそうにいそいそとりんご飴の屋台に行こうとした。
「だーめ、……今日のこと忘れたの…?春かわいいから心配なの」
俺はそれを手を繋ぎなおして制止し、春にもう少し自覚をしてもらおうとした。
春「うぅ………でも、僕だって男ですよ…?」
「それでもダメ。……俺、春に何かあったら耐えられない。……………それとも、春は俺を心配させたい悪い子なのかな……?」
春は本当に自覚がないのだろうか………、こんな中性的な子が浴衣を着てウロウロしていたらそりゃあナンパされてしまう。
だから俺は春が逆らえないような言葉をかけ、自分のそばにいさせた。
春「…………あぅ……っ///……わかりました……、萩野先輩一緒に来てください………」
…………ほら、やっぱり春は顔を赤くして、言うことを聞いてくれた。
………ずるいことしてるかなぁって思うけど、それでも春を守る為なら致し方ない。
「うん、ありがとう」
そのかわりいまだに赤くなっている春に俺は本心からの笑顔を見せた。
_____________________________________
春「…………うわぁ……っ、こんなところあったんですね」
俺たちは各々食べ物を手に持ち、俺のお気に入りの場所を案内した。
子供の頃好奇心で入り込んだ道の先に、こんないい場所があったなんて当時はそれは驚いた。
………喜んでもらえたみたい、よかった
「ふふ、いいところでしょう?ここは誰もこないから落ち着けるんだ」
春「ほんとですね………、ここだけ別世界に来たみたいです」
…………それは意図的に言ってるのかな……?
まぁ、春に関してそれはないと思うけど。
「……うん、2人っきり。」
春「ち、ちが………っ、そんなつもりで言ったんじゃ………」
………ふふ、やっぱり
予想通りの春の反応に、思わず笑みがこぼれた。
「ふふ、わかってるよ……、とりあえずご飯先に食べようか」
春「………はい……」
なんて俺たちは穏やかな会話をしていたんだ。
この時までは………
春は焼きそばを食べ終わった後、おもむろにりんご飴を袋から取り出した。
春「……ふふ、……美味しそう」
りんご飴を見つめて、可愛く微笑む姿は本当に天使みたいだ。
春「………ん、…っ、おっきぃ……」
…………………………………………………。
……………えと、春さん………?
微笑ましい気持ちで眺めていると、春はりんご飴にかぶりついた。
だけどそれは春には大きかったようで、春は鼻にかかるような声を出しながら苦しそうに食べていた。
……………………
春「…………ふあ………おいし……」
本人は満足気な様子で、食べ進めている。
……………………やっば……………
飴のせいで唇はテラテラと光っているし、微笑みながら食べる姿はなんとも妖艶だ。
春「…………?先輩…?」
俺が思わず春の唇を見つめながらイケナイ事を考えてしまっていると、春が下から覗き込んできた。
そこでやっとまともに春の顔を見たとき、一気に罪悪感が押し寄せてきた。
………………こんな純粋な子に俺はなんて事を……………
「………ごめん、今……煩悩と戦ってるから…」
春「…………?……もしかして、りんご飴欲しかったですか……………?」
春は的確に俺の心を抉っていく。
「………いや……、ごめん………ほんとごめん…………」
………………ほんとごめん……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
66 / 107