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白状
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萩野「………よし…」
萩野先輩はそう言うと、抱え込んでいた僕を持ち上げ、ベンチの方へそのまま行きました。
僕「……わわ、ぼ、僕重いです……っ」
僕はびっくりして、思わず萩野先輩の首に手を回しました。
萩野「……ん、全然大丈夫だから、お話聞かせて……?」
萩野先輩は全く動じず、にこやかな笑顔で僕を抱きかかえながら座りました。
僕「……………、ど、どうしても、ですか……?」
僕はどうにか許してもらおうと、萩野先輩を伺いました。
萩野「……んーー、その顔は可愛いけど、どうしても……かな。」
僕「………ぅーー」
萩野「………俺だけ仲間外れにされて悲しいな……。いっつも広瀬だもんね………春は…」
そう言って、萩野先輩は言葉通りシュン…となりました。
……………う……っ、ま、また……!
僕がこの萩野先輩に弱いことを知っていて、わざとやっているのでしょうか………っ
ワンコ萩野先輩がまた発動してきてしまいました。
僕「……ゃ……っ、ずるいですっ」
僕も今回だけは簡単に譲ることができなくて、自分の両手で萩野先輩の顔を隠そうとしました。
ですがその手を逆に萩野先輩に捕まえられてしまい、グッと今以上に引き寄せられてしまいました。
萩野「……お願い、はる……」
僕「…………っ///」
腕を捕らえられたまま、萩野先輩が顔を近づけて僕に困ったように言います。
…………うぅーーー、ずるいですぅ……っ///
………こんな、こんな……っ、綺麗な顔で言われたら断れるわけがないじゃないですかぁ…
僕は心中泣きそうになりながら、白旗をあげました。
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僕「………あ、の………っ、あの……せ、せ…!」
僕は白旗をあげたものの、どうにか萩野先輩を驚かせてやりたいと思い、名前で呼ぼうとしているのですがなかなか勇気が出ないでいました。
萩野「……ん、ゆっくりでいいからね」
萩野先輩はさっきとは打って変わって、いつもの優しい笑みを浮かべて、僕の頭をゆっくり撫でてくれています。
僕「…………ふぅ………っ、せ、せ……///」
……………恥ずかしいよ………っ、名前で呼びたいのにぃ………っ
僕は深呼吸しながら、なんとか早く名前で呼ぼうとしました。
ですが気持ちが焦ってしまい、言葉がなかなか続きません。
僕は困って、萩野先輩の顔を見上げた時、するっとその言葉は出てきました。
僕「……あの……っ、せ、せいやさん………!!」
咄嗟に勢いで言ってしまったことに気づき、僕もびっくりしてしまいました。
僕の言葉を聞いた萩野先輩は、軽く目を見開いた後、その顔がだんだん蕩けそうな笑顔へと変わりました。
萩野「……なぁに…、はる」
僕「………はぅ……っ///、いや、ち、違くて…っ、いや……っ、違わないって言うか…あぅ……っ」
萩野「………もしかして春、ずっとそれで悩んでたの………?」
僕「………ぅーー、だって、…広瀬先輩が、付き合ってるのに名前呼ばないのかって……、他の人に先取られちゃうって………ふぇ……っ」
もう僕は恥ずかしさと、なんとか名前を呼べた嬉しさで目がウルウルしてきてしまいました。
萩野「………はぁー、もう可愛い。」
そんな僕を見て萩野先輩は僕の頭を抱き込んでギュッとしてくれました。
萩野「……死んじゃうかと思った。春が可愛すぎて」
僕「……やっ、しんじゃ、やです……っ!」
萩野「ん、死なない。……春が可愛いから」
萩野「……それより、もう一回呼んで……?」
僕「……ぅえ……っ、え、っと、……せ、せいや先輩……」
萩野「………あれ?先輩に戻っちゃった………。さん付けの方が嬉しいのに……」
僕「……あ、あれは…!……勢いで言っちゃっただけで……っ、いきなりさんなんて……」
萩野「…………他の人に取られてもいいの………?先輩って呼ぶのはいっぱいいるかもしれないけど、春は特別なのに……」
…………う、た、確かにそうかも………っ
………後輩ならみんな先輩を付けるけど、さん付で呼ぶ人って…………
僕「………せいやさん………」
僕はまたまた萩野先輩に負けて、ボソッと小さくさん付で名前を呼びました。
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