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救出
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僕「……うぇ…っ、せいやさんーー……っ」
僕は聞こえてきた犀夜さんの声に向かってギュッと目を瞑ったまま手探りで探しました。
まだ目を開ける勇気は僕にはありません。
うーーーっと、探していると、ぎゅっといつもの暖かい匂いと温度に包まれました。
萩野「はいはい、怖かったね春」
トントンと背中を一定のリズムで叩かれ、僕の気持ちもだんだん落ち着いてきました。
僕「……ぅーーー…、お化けが……っ」
萩野「うんうん、もう大丈夫だよ、……あいつは締めておくからねーー」
「ひっ…、!」という声が後ろから聞こえます。
僕「………ず……っ、……ずず…ぅ…っ」
だいぶ僕も落ち着きました。
僕「……………これ、食べます……」
落ち着いたところで先程手に握らされたお菓子の袋を破り、口に含みました。
………………モキュモキュ………
…………ん、このチョコ美味しい……どこのメーカーだろう……?
「…………おい、萩野の顔溶けてるぞ……」
「あんなデロデロの萩野初めて見た……………」
「なんか、ハムスター見てるみたい………」
萩野「見んな、減る」
「「「なにが」」」
……………?……また何か皆さんが喋り出した気がする………
「これもいるーー………?」
ただ無心に食べていると、どこからか新しいお菓子が差し出されました。
今の僕は精神的に参っていたのでありがたくもらうことにしました。
僕「…………ん、ありがとうございます………」
……………モグモグ……、このクッキーも美味しい………先輩たちがくれるのみんな美味しいな……
「「完全に餌付けだろこれ」」
僕「……………?」
………よくわかんないけど、犀夜さん来てくれたからいいやっ
そういう気持ちを込めて、ぎゅっと犀夜さんの裾を握りしめました。
その後僕が僕のクラスメイトに呼ばれるまで、犀夜さんのクラスの人たちと楽しく受付の横にいさせてもらいました。
もちろん今度は犀夜さん付きで。
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僕「…………お見苦しいところをお見せしました…………」
その日の帰り道、僕は今日の醜態を非常に恥じていました。
萩野「可愛かった……」
僕「……うぅ……///」
いつも以上に上機嫌な犀夜さんの甘々さは僕とお別れするまで続きました。
次の日の一般公開は僕も犀夜さんも忙しく、お互い帰りまで顔を合わせることがないまま無事に文化祭を成功させました。
こうしてまた僕と犀夜さんの思い出が1つ増えました。
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