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看病
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萩野「…………あ、………あぁ…、」
固まっていた犀夜さんはそれだけ言うと、急にハッとしたような顔をしました。
萩野「……それより春っ!いきなり出てきたら危ないだろっ」
そしてまだ開きっぱなしのドアをガッと掴むと、一気に僕との距離を詰めてきました。
僕「……あ…ぅ…、えっ、と…」
そしてそのままズルズルと僕が下がって犀夜さんがまた詰めるため、最終的に玄関の段差に僕が引っかかって、それを犀夜さんが慌てて支えるという結果になりました。
ガチャン………………というドアが閉まる音が犀夜さん越しに聞こえてきます。
萩野「………………はぁ………ごめん、病人なのに………」
僕「……ぁ、あ、いえ…っ、今は結構楽なので……」
犀夜さんが僕をぎゅっと抱きしめてきました。
僕「あ、あの…っ、移っちゃうので……、と、とりあえず、、お上りください………」
ずっとこのまま玄関でひっついていてはお互いいいこともないので、僕は犀夜さんを自分の部屋にあげました。
僕が飲み物とかを準備しようとすると、犀夜さんは僕を止めて手に持っていたコンビニ袋をガサッと鳴らし「春は寝てなさい」と僕の腰に手を回したため一緒に僕の部屋に行くことになりました。
部屋に着くなり犀夜さんは僕を素早くベッドに寝かせ、布団を僕の方まで被せてきました。
僕「あ、あの……、僕本当に大丈夫ですよ……?」
萩野「何言ってるの。熱が下がってるだけでしょ、しっかり寝なさい」
そう言って、犀夜さんは布団越しに僕に一定のリズムでポンポンとしてきました。
僕はそれにつられてどんどん眠気が襲ってきましたが、このまま寝てしまったらせっかく犀夜さんがいるのに居なくなってしまうと思い、犀夜さんの手を掴んで言いました。
僕「……で、でも……っ、寝ちゃったら犀夜さん居なくなっちゃう…………」
萩野「……………………」
犀夜さんはピシッと固まりました。
…………………あ……、め、迷惑だったかな……、僕病人だから犀夜さんがこんなに近くにいたら移っちゃう………っ、それを自分から居なくなるななんて言うなんて……っ、移す気満々な人じゃないか……っ
僕「ご、ごめんなさいっ……、移っちゃうから帰ってください……っ、あ、ありがとうございましたっ」
……………うぅ……、わざわざ来てくれた人に対してこんな対応なんて…失礼すぎる…っ
僕はなんだか泣きそうになって慌てて布団を頭から被り身を隠しました。
萩野「……………………」
…………ギュッ
ふと、布団越しに体が抱きしめられる感覚がしました。
萩野「ん、大丈夫。寝ても居なくなったりしないよ」
続いてそんな声が聞こえてきました。
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