アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
・・・
-
もたもたしていたら、由来手が微かに頷いた。気がした。
もたれ掛かるようにして前屈みの姿勢にさせて、下からそっと指を入れる。なんだか蟯虫検査みたいだ。
「……っ」
息をつめたような微かな声が漏れる。
中は、柔らかく指を飲み込み、なぜかさほど詰まっている感じがなかった。
もしかして……ちらりと由来手を見る。目を閉じたままだが、わずかに口の端から涎が垂れている。耳たぶはやや赤く熱を持ち、指は緊張にこわばっていた。
「まさかな」
そこまで、期待するほどに好かれているものだろうか?
と思ったがぐいぐいと指を進める。なんともいえない、ふよふよした粘膜の感触が絡み付く。少しずつ軟膏を塗り足して、なるべく痛くないように……
それから、図鑑で見た位置の直腸を探す。たぶん、この辺り、というあたりで足元においていた体温計を挿入した。
びっくりしてばっ、と足を閉じようとするのではと心配したが我慢しているらしい。
「偉い、偉い、死体なんだもんね」
フフフフ、と笑みが溢れる。
しばらくして、ピピピ、と無機質な音が浴室に響き渡る。
37.5。
体温計を取り合えず石鹸で洗いアルコールのティッシュで拭く。由来手はまだ、横たわったままでいた。
ひんやりした身体。乱れた髪。まさか本当に死んでる?
さっき体温を確認したのに思ってしまう。
「37.5だってさ、由来手」
つまらないので耳元で教えてやった。
「健康だよ。死体のくせに、ね」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
80 / 178