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日々
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「おはよう、ハル」
学校に着き教室に入ると真に声をかけられ
た。
「おはよう、早いね真」
「うん、今日は早く目が覚めたからいつもより早めに来たんだ。そういうハルこそかなりはやいね。」
「僕はいつもこのくらいだよ。」
本当はもっと寝ていたい。
「そっか、でも少し眠そう。大丈夫?」
え、なんでわかったの?
「全然眠くないよ?大丈夫!」
こうやって大して意味の無い嘘をつく。
壁を作るために。
「ん、ならいいんだ。なんか無理してるように見えたからさ。」
え?
「そんなふうに見えてるの?僕。」
「あ、いや、なんとなくね?そんな気がしただけ。気にしないで」
「う、うん。」
僕らの会話はそこで終わった。
次第に人も増え始めた。
「櫻井!おはよ!!」
クラスの男子に声をかけられる。
「おはよう。」
挨拶を返すことはするが、仲良くなんてした
くない。
そう考えると何故入学式の日に真と会話をし
てしまったのか。
こんなの、仲良くなりたいように思われるじ
ゃないか。
高校に入ったら特別仲良くする人を作らない
ようにしないといけないと思っていたのに。
自分でもよくわからない。
辛い思いをするのは自分自身なのに何故だろ
う。
あの日はどうかしていたんだ。
緊張して、いつもなら人と話すことなどしないのに。
よく考えてみればあの日は自分の頭の中もお
かしかったように思う。
真のことをかっこいいと思ったり。
前の自分に戻ってしまっていた。
今自分がしなければいけないことは自分を殺
して生きること。
そうでもしなければ壊れてしまう。
だって僕は弱いから。
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