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失意と決意
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その日を境に僕は抵抗を止めた。
もう、抵抗する気力はなかった。
それに、こんな体に望んでなった訳ではないとはいえ本当に自分が嫌で仕方がなかった。
言うなれば自棄だ。
「お前抵抗するのやめたのか」
「....」
「ま、賢明な判断だな」
「....」
何も考えない。何も考えたくない。
でも、バレーをしている時だけは気持ちが楽だった。
今の自分を支えているのはバレーだけ。
身長は小さかったがジャンプ力があった僕はスパイカーになった。
あんなふうにかっこよく決めたい。
そう思っていたから嬉しかった。
だから一生懸命練習した。
空いた時間を見つけては練習をした。
そのおかげもあり、3年生が引退した時1年生だったがスタメンに選ばれた。
その時は死ぬほど嬉しかった。
努力が認められたようで。
スタメンになり僕はさらに練習に明け暮れた。
だが。
叔母さんたちはそれを許してはくれなかった。
ひたすら練習をしていた僕は帰るのが遅かった。
叔父さんは前々から帰りが遅いことに対してはよく思っていなかったため、もう部活に出られないほど酷くしてやろうと考えたらしい。
「おい、遥」
「....」
「俺が呼んでんだろ!!返事をしろ!」
「....は、はい」
「そうだ。ちゃんと返事をしろ。
本題に入るぞ。お前帰りが遅すぎる。
前にも言ったがいくらなんでも遅すぎやしないか?前はみんながそうとか言ってたが今はどうなんだ?」
「....み、みんなそうです。嘘はついていません。」
「本当か?嘘じゃないな?」
「は、はい」
「そうか、まあ、どっちにしろお仕置きだがな」
「....!」
なんで。そんな。
「はっ、なんでって顔してるな。たとえ嘘じゃなくたってな俺は迷惑してんだ。それの償いをしろ。
今日は相手をたくさん呼んだからなせいぜい楽しめよ。」
なんで。
なんで僕から幸せを奪おうとする。
僕が何をしたって言うんだ。
なにもしてないだろう。なのに。
どうしてこんな酷いことを。
もう。嫌だ。
こいつらの操り人形になり続けるのは。
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