アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
憤り
-
「とりあえず、これ履きな。」
そういってハルに短パンを差し出す。
「あ、ありがとう....わざわざごめんね....あ、あとね....今気づいんだけど、僕叔母さんたちの家で長いズボンほとんど履いたことないの....。あってもスキニーとかの体のラインがはっきりするやつで、あんまり好きじゃなくて履かなかったから....それに短いズボンも本当に短くて、女子の履くしょーとぱんつ?というやつよりも短かったの....だから履くものほとんどなくて、それにすぐ脱がされるし....だから下を履かないことに抵抗がないの....ごめんね....男なのに生足で目の前ちょろちょろして....気持ち悪いよね....」
「ううん。大丈夫。気にしないで。気持ち悪くなんかないから。むしろ違う意味で困るけど....その時はハルにとってそれが最善だったんでしょ?だったら仕方ないよ。今度服を買いに行こう。それで好きなの買えばいい。」
「気を使わせてごめんね....でも、ありがとう。違う意味で困るって....?」
「気にしないで。今はどんな服着たいか考えてて。」
「え....うん....?ていうか、僕、外で歩いて大丈夫かな....?」
「遠くまでいけば大丈夫なんじゃないかな?ハルも自分で選びたいでしょ?」
「う、うん。」
「でも、早い方がいいよね。僕明後日部活がちょうどないから明後日いこうか?」
「う、うん、いい....?」
「いいよ。一緒にいこう。」
「ありがと....!」
「あ、ハル。髪、乾かそう?」
「髪....?」
「うん。髪。ドライヤー持ってくるから。」
「あ....それ、僕使い方わかんないかも....」
「え、そうなの?」
「えっと....前の家では髪とか乾かさなかったし....ちっちゃい時は使ってたんだろうけど多分お母さんがやってくれてたから....」
そういうことか、
「そっか。わかった。じゃあやり方教える。そしたら出来そう?」
「うん、多分出来ると思う....がんばる....」
「じゃあこっちおいで。」
手招きをしてハルを呼ぶ。
そして洗面所に連れてきて、
「えっと、僕がやってみるからよくみてて。で、それを真似してやってみて」
「ん、わかった....」
そしていつもやるように髪を乾かすように手を動かし、数分そのまま続ける。
「こんな感じ。出来そう?」
「やってみるね....!それかしてもらっていい....?」
ドライヤーを差し出す。
すると、たどたどしい手つきで髪を乾かし始めた。
「こ、こんな感じかな....?」
「うん。そんな感じ。そのままやっててごらん。そうしたら乾くと思うから。」
ハルは言われた通りに数分間続け
「もういいかな....?」
と呟いた。
「んー、もうちょっとやった方がいいかもしれない。」
ハルの髪に触れそういう。
「わかった!」
僕の言葉の通りにハルは少しドライヤーをかけ、もういい頃合いかなと思った頃手を止め
「今度こそいいかな?」
と言って僕に確認を求めてきた。
「うん。いいと思うよ。」
髪に触れるとしっかり乾いていていい感じだった。
「ありがとう....!これからは自分でできるように頑張るよ....!」
少しテンション高めにそういうハルはやっぱり可愛い。
そして、ドライヤーのかけ方すら分からないような環境にいさせたハルの叔母たちに怒りを覚えた。
どんな家庭環境のところにいればズボンを履かないことに抵抗がなくなって、ちょっとしたことで自分を汚いと思うようになるんだ。
本当に許せない。
ハルを壊した件の二人が。
でも、その二人に制裁を加えるのは僕の仕事じゃないから。
僕はハルの心を癒したい。
どれだけ時間がかかっても。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
55 / 215