アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
蒼
-
彼女が去っていき、蒼くんと二人きりになる。
「ねえ、蒼くん。なんで僕があそこにいるってわかったの?」
ずっと気になってたこと。
「んーとね、彼女に放課後呼び出されてたの見てたし、3人で体育倉庫に入ってくとこを見ちゃったんだよね。
それとね、彼女たちが出てったあとに見るからに中学生じゃない男達が入ってったの見てやばいと思ったの。そこから行くのに時間かかった理由はクソ教師どもが鍵を渡してくれなかったから。絶対に鍵かかってると思ったからさ、開けようとして音立てるよりも、最初から鍵もってって1発で開けた方がいいと思って。」
そんなことが....
「よく鍵貸してくれたね....?」
「あぁ、あん時も保健室の先生が助けてくれたんだよ。もしなんもなかったらそれに越したことはないけど、何かあったら大変だからって。あぁ....そういえばあん時邪魔してきたのも担任だったな....本当に最悪だ。」
あの先生....
考えるだけでも....鳥肌が立って震えが止まらない。
「ぅぁ....」
「ごめん。今の忘れて。」
「ごめんね....こわいの....あの人....こわいの....」
僕はレイプに慣れている。
だから犯されたことに対して怖いと思っている訳では無い。
ただ....あのリーダー格の男....
蒼くんを殺そうとした....
あの時のあいつの目はそういう目だった。
だから....だから怖いのだ。
この人....蒼くんは....
今まで接してきた人とは誰とも違う。
いつも孤独が傍にいるようなひと。
蒼くんに好意を抱いているわけではない。でも。
この人とは一緒にいたい....
何故かそう思う。
「ごめんよ。怖がらせたかったわけじゃないんだ....」
「蒼くんは悪くないよ....気にしないで。」
「ん、そういってくれると有難いよ。」
「ねえ、蒼くん、あの時さ、思いっきりアイツらのこと殴ってたでしょ?手、大丈夫....?」
「ん?手?大丈夫だよ」
そういった蒼くんの手を見ると赤くなっていて少し腫れていた。
「大丈夫じゃないじゃん....!手当するから手出して!」
そういって救急箱をとってくる。
「大丈夫だってば。慣れてるから。気にしないで。」
「だめ!手出して!痛いよ。僕が見てて痛いから....おねがい....出して....?」
「....わかったよ。じゃあお願いします。」
「うん、」
そういって蒼くんの手を手当する。
「ていうか慣れてるって....?」
「え?あぁ、俺ね、喧嘩、得意なの。」
意外....
「そ、そうなの....?なんか意外だな....」
「そう?俺が喧嘩をよくするって知ってる人からしたら多分そんなことないと思うよ。」
「そうなんだ....」
「ん、そう。」
「あ、終わりだよ。」
「ありがと。てか遥くんこそ後ろ。手当しなくていいの?」
あ....忘れてた....
「....声....きかれるの、やだ....」
「今更?さっきシャワールームで聞いた。」
きっとこの人は何も思わないんだろう。
だからこんなふうな態度を取れるんだ。
僕からしたらそっちの方が有難くて。
この声なんかどうでもいい。みたいな態度が。
この感じが。とても。
楽だ。
「うう....どうしよ....蒼くんがよくても僕がよくないよ....!」
でも、聞かれるのはやだ。
「じゃあ俺もう行こうか?話もできたし。」
行っちゃうの....?
柄にもなくそんなことを思った。
「....そっか、もう用は済んだもんね....」
「ごめん、やっぱやめる。送って帰る。そんな顔されたら帰れないなぁ。」
え、そんな顔ってどんな顔?
「ふふ、行っちゃうの?って顔してた。俺、外でてるから。手当終わったら呼んで。」
そういって蒼くんは保健室から出ていった。
優しい....
あ、早くやらないと!
そう思い、手当道具を持ってきてズボンを下ろす。
そして、軟膏を取り出して切れている箇所に塗りつける。
でも、やはり、少し薬の効果が残っている身体だと、快感を覚えてしまう。
開発されている身体だから尚更。
「っふぁ....あっぅ....んっぁ....」
なんとか軟膏を塗りこみ、手当を終え、道具を片付けてから蒼くんを呼びに行く。
廊下に出ると、葵くんが座っていた。
「蒼くん。終わったよ。」
「ん、おっけー。帰る?」
「うん。帰る。」
帰ったらなんて言い訳しようか。
先生に呼び止められていたってことにしよう。
そんなことを思いながら荷物をとり、蒼くんの後ろをついて行った。
「あ、そうだ。ねえ、遥くん。」
「なに?」
「あのさ、名前呼ぶ時、君付けしなくていいから。蒼でいいよ。」
「ん、わかった。だったら僕も遥でいいよ。」
「わかった。ありがと。」
「ん!こちらこそ!
よろしくね。蒼。」
僕がそう言うと、にやっとして蒼が
「ああ、こちらこそ。よろしく。遥。」
そんな話をしながら帰路についた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
72 / 215