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トラブルの兆し
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「遥くん。どうだった?」
授業が終わり、休み時間になると、蒼くんが話しかけてきた。
『校長先生はわかってくれた。いい人なんだと思うよ。』
「そっか。ならよかったよ。」
『蒼くん、さっきの授業、何やったの?』
「んー?大したことはしてないよ。自己紹介と今後の説明。あとは、今後の実験とかのグループ分け。嫌だったら申し訳ないけど、僕と同じにしといた。」
おお....そんなことしてたんだ....
蒼くんと一緒か....嫌じゃない。むしろ蒼くんがいると楽だ。
『嫌じゃないよ。むしろありがと。』
「ん、ならよかったよ。」
そのあとは何事もなく授業を受けて、そのまま一日が終わった。
家に帰った時もその日は何もされなかった。
珍しい。
まあ、何もされ内に越したことはないのだ。
この時はこんな呑気なことを考えていた。
このあとすぐ、面倒事に巻き込まれるとは知る由もなく。
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「ねえ。あの、遥....とかいうやつ。なんなの?」
「え?誰それ?」
「男のくせに蒼くんにべったりの気持ち悪い男。」
「なにそれぇ。私たちを差し置いて蒼くんと仲良くしてるわけぇ?」
「なんかできてる説あるらしいよ?」
「えー。きもーい。」
「じゃあさ。その気持ち悪い男。オシオキしちゃわない?」
「....いいねぇ....しよっか。」
「いいねいいね!!楽しそうじゃない?」
夕方の静かな住宅街。
3人並んで歩く女子の楽しそうな笑いが響いた。
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