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お母さんみたいな人
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保健室に戻り、椅子に座る。
すると、
ガラガラ
担任の先生が入ってきた。
其の瞬間頭が真っ白になった。
「櫻井、大丈夫か。」
「あ....や....やだ....」
その先生の容姿がさっき自分を犯していた男....リーダー格の男にそっくりで、思わず蒼くんにしがみつく。
「なんだ?どうした?心配してやってるのに。」
そういって先生はグイグイ近づいてくる。
「んゃ....やら....やだ....こな....で....」
「先生。止まってください。」
その時、蒼くんが助け舟を出してくれた。
「なんでだ?事情を聞かないといけないだろ?」
「あなたの容姿はレイプ犯に似ている。とても。だから怖がっているんだ。」
「っ!?失礼な!ふざけるんじゃない!早く事情を話せ!」
「お静かに。櫻井が怖がります。ほかの先生はいないんですか。あなたでは話ができない。」
「どういうことだよ!俺じゃ不満か!?」
「だから、あなたの容姿がレイプ犯に似ていると言っているのです。わかりませんか?」
「....ふざけるなよ....他の教師は忙しいんだ。それに自分のクラスのやつの面倒もみれないって馬鹿にされるんだ。早く喋らせろ。」
「はぁ....だからできないと言っているのです。」
「うるさい!お前に言ってない!ほら!こっち向け!お前だろ!襲われたのは!」
そういって僕の腕を引っ張りこちらを向かせ、顎を掴んで顔を固定する。
「....あ....あああ....?ぁ....ゃだ....やだ....やだ....ああああああああ....!」
僕は錯乱していて、その先生がレイプ犯にしか見えず、大声を上げて逃げようとする。
「何してるんですか!?この大馬鹿者!」
すると女の人の声が聞こえた。
「その手を今すぐ離して出ていきなさい!」
その女の人は担任の腕を掴み外へ出し、鍵を閉めた。
「大丈夫....?怖かったわよね。落ち着くまで待つから、落ち着いたらお話を聞かせて。」
その先生は保健室の先生だった。
「すみません。ありがとうございます。俺じゃどうにも出来なくて。」
「いいのよ。今のはあの人が完全に悪いわ。この子は被害者で傷ついているのに。ふざけないで欲しいわ。本当に。こんなに怖がっているというのに、わからなかったのかしら....」
「ご....ごめんなさ....あぁぁ....ゆる....して....ゆるして....くださ....はぁ....はぁはぁ....」
僕はパニックで、自分が何を口走っているのかも分からなくなっていた。
「....あの男....許さないわ。
大丈夫よ。落ち着いて。もうあなたは安全なところにいるのよ。ゆっくり呼吸をして。」
「遥くん。よく聞いて。俺に合わせて呼吸して。ゆっくり。大丈夫。」
そういって蒼くんに抱きしめられる。
心臓の音....聴こえる....
「っはぁ....はぁ....」
「そう。ゆっくりよ。大丈夫だからね。」
次第に呼吸も落ち着き、状況もわかってきた。
「ごめんなさい....もう、大丈夫です....」
「謝らなくていいわ。傷ついてるあなたにあんなことをしたあの男が悪いのよ。何があったのか話す気になるまで待つから、ゆっくりしていって。」
保健室にの先生は優しくて、安心できた。
お母さん....みたいだ....
そう思ったら涙が溢れてきて、止まらなくなった。
「まぁ....やっぱり、怖かったのよね。安心して涙が出てきちゃったのかしら。いいのよ。泣いても。気が済むまで泣きなさい。」
優しく頭を撫でられ、そう言われて、涙が止まらなくなる。
「っうぁぁ....ぁ....うぇ....」
その後しばらく泣き続け、10分ほど経ち、落ち着きを取り戻してきた僕は、何があったのか話すことにした。
「....話します....もう、落ち着いたので。」
「もう大丈夫?ゆっくりでいいのよ。」
「もう大丈夫です。話、してもいいですか。」
「ええ、話して。聞くから。」
そういわれ、何があったのかを説明する。
クラスの女子に呼ばれて行ったこと。
縛られ、閉じ込められたこと。
薬を盛られたこと。
見知らぬ男達に犯されたこと。
「....そうなのね....辛かったわね。それに薬....まだ抜けていないのでしょう....?大丈夫なの....?」
「....あまり大丈夫ではないです....でも、結構抜けてきているみたいで、飲んだ直後ほどではありません。」
多分、効き目が強いぶん短い間しか持続力のない薬なのだろう。
何もされていないこの状態なら平気だ。
「....そう。薬に関しては私はよく分からないから、病院に行った方がいいかもしれないわ。」
「はい。そうですね。」
「それと....お尻....切れているでしょう....?痛いんじゃないかしら。手当....させてもらえない....?」
「っ....えと....多分今触られると....ちょっと....」
「....そうよね、自分で出来るかしら....?」
「はい。できます。」
「じゃあ、私、もう少し話を聞いたら出て行くから、道具使って手当しておいてもらえるかしら。化膿すると後々面倒よ、」
「はい。わかりました。ありがとうございます。」
「いいえ。それが仕事だもの。
じゃあ、最後に、ご両親に連絡しない方がいいかしら。」
....それは....言わない方がありがたいが....
「そんなこと、可能なんですか。」
「ええ。訴訟とかを起こしたいのなら別よ?でも、こんなこと、ご両親に報告したくないんじゃないかしら。」
きっと、普通ならありえないのだろう。
しかし、僕が男だということとさっき両親に報告するかと問われた時の反応で許可してくれたのだろうな。
ありがたい。
「ええ....そうです....」
「なら、校内での話し合いなどは、私が保護者代理として出ます。慰謝料はとった方がいいわ。だから、手続きとかは私に任せて。」
「とても有難いです....。もちろん費用は出させていただきますからよろしくお願いします。」
「ええ。まかせて。でも費用は大丈夫なの?」
「大丈夫です。」
「そう。ならよかったわ。じゃあこれで失礼するわ。またね」
そういって彼女は保健室を去っていった。
優しい人だ....お母さん....みたいな....
久しぶりに懐かしい感覚に襲わた。
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