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交渉
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誰も口を開かず、話しにくい空気が出来ている....
どうしよう....
緊張でどうにかなりそう....
「....あー、まず自己紹介をしておこうかな。私は一ノ瀬悠斗。知っていると思うが真の父だ。」
「あ、じゃあ私も。私は一ノ瀬汐織。真の母です。」
「っあ....ぼ、僕はさく....いや、神崎遥です。」
「僕はいいかな?みんなわかるよね。」
「あぁ、とりあえず本題に入ろうか。大まかな内容は真から聞いている。ただ、遥くんの家がとういう状態なのか、その重要な部分を聞いていない。だから教えて欲しい。その上で話を聞こう。」
「はい。わかりました。」
僕は幼い頃に両親を亡くしていること。
叔母夫婦に引き取られたこと。
引き取られて直ぐに性的虐待やネグレクトが始まったこと。
それらを話した。
「....っ、具体的なことをいくつか上げてもらってもいいかい?言いたくなければいい。ただ、性的虐待と言っても色々あって、内容によっては問われる罪が変わる。どちらにせよ虐待ならば然るべきところに言わなければいけない。」
「具体的なこと....初めは触られるだけでしたが、少し経つ触られるだけでなく挿入されたり、薬を使われたり、知らない人に回されたり、あとは....」
「もういい。それだけ言ってくれれば十分だ。ごめんね。言いたくなかっただろうが....」
「大丈夫です。具体的な説明が必要なことは理解しています。」
「あぁ、わかってくれるとありがたい....
それで、頼みとはいったい?なんとなく想像はつくのだが....」
真に全てをうちあけた時と同じ反応。
親子だな。
「叔母夫婦を訴えたいのです。その上で力を貸していただきたい。弁護士を雇ったり、法的な話し合いの場で。」
「あぁ、やはりか。」
「はい。こちらはお願いしている立場ですから断って頂いても結構です。ただ、あなたに手伝って頂けるととても有難いのです。」
「ほう。それで真に近づいたと?
私はこれでも会社の社長をしている。金ならあるし、社会的な地位も普通の人と比べたら高い方だ。真を利用しようとしているのではないか?」
真のお父さんの声が低くなる。
でも、不思議と恐怖は感じなかった。
「いいえ。彼は僕を助けてくれた人です。初めは誰とも仲良くなる気などなかったのです。でも、彼に優しくしてもらって久しぶりに幸せだと感じました。そして、その幸せを逃したくなかった。だから、彼に力を借りることにした。利用しようとしているように見えるのなら仕方ないと思います。ここで断ってくれて構わない。でも、僕は彼....真といると心から幸せなのです。だから一緒にいたい。ただそれだけです。」
日本語はきっとめちゃくちゃだろう。
でも、これが僕の思っていること。
真が大好きだから一緒にいたい。
ただそれだけ。
まあ、付き合ってるなんて聞いたら卒倒しそうだけど。
真はモテるし。僕なんかには勿体ないくらいだから反対されるだろう。
だから今は言わない。
時が来るまでは。
「っははは!やはり君はいい子だ。真が肩入れするわけだ。」
突然笑いだしたかと思うとさっきの雰囲気をぶち壊して気さくに話しかけてくる。
「....っえ....?」
「ふふ、可愛らしい子ね。私この子気に入ったわ。」
え....?
状況が理解できない。
「あぁ、悪いね、真から聞いていた話では相当いい子だと聞いていたんだが、この目で確かめて見ないとと思っていてな。君が真を利用する気がないことは知っている。試すようなことをいって済まなかったな。」
え、僕試されてたの....?
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