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気まずいな....
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注文を済ませたあと、何もすることがなくなって、二人の間に気まずい沈黙が流れる。
なにか話題を探そうにも、思い付かないし、そもそも話がしたい訳では無い。
だからどうしていいか分からず、ただただお互いなんの音も発さない静かな時が流れていく。
いっそ、先輩が携帯でも触ってくれれば僕も気が楽なのだが....
....本当に気まずいなぁ....
そう思って数分、ついに痺れを切らしたように先輩が話しかけてきた。
「....お前さ、恋人いるって言ってただろ?どんなやつなんだ?」
「....恋人ですか....?そう....ですね....」
多分、来る時のあの感じだともう相手が男なのはバレバレだ。
この程度も誤魔化せなくなっている自分にびっくりだが、バレてしまったものは仕方ない。
「....かっこよくて、優しくて....僕の一番大切な人....ですかね....」
手を出されないための牽制も含めていつもは言わないようなことを言ってみる。本心には違いないが、言うのは恥ずかしい。
「あぁ、そうか。良い奴なんだな。ま、せいぜい他のやつにバレないようにしろよ?」
「は、はい....」
「それにしてもどんなやつか見てみたいもんだな。学校は同じなのか?」
「は、はい....同い年です....」
「部活は?」
これは言っていいのだろうか....
部活を言ってしまったらもうほぼバレているようなものではないのだろうか....
真に迷惑がかかるのは嫌だ....でも....ここで言ってしまえばさらに牽制になるだろうか....真はイケメンだから....諦めてくれるだろうか....
言ってしまってもいいかな....
でも先輩が真の相手が男だってことをバラしたりしたら....迷惑....だよね....うぅ....どうしよ....
「言えないか?」
「す、すみません....相手に....迷惑をかけてしまうかもしれないから....」
「なんだそれ、束縛がきついとかそういうことか?助けてやろうか?」
「あ、や、ち、違くて....そういうのじゃなくて....ただ....」
「言いたくないから言い訳か?ま、別にいいけどな。」
明らかに機嫌を悪くしたように先輩は言った。
どうしよ....機嫌損ねた....やばいよ....言ったら....許してくれるかな....でも....でも....
その時、携帯の通知音が鳴った。
「....?」
携帯を開いて見ると、真からのメッセージで、
『何か困ったことがあったら僕のこととか言ってもいいからね。牽制になるかもしれないし、僕のことを伝えてハルが危険な目にあう確率が少しでも下がるならそっちの方がいいから。伝え忘れたからメッセージにいれとくね。頑張って。』
なんてタイミングだ....
ほんと....困っている時にいつも助けてくれるのは真だ。
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