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帰りたい。家に。
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その後も勘違いして謎に照れている先輩と色々な話をして2時間ほど経った。
外も少し暗くなり、解散できる時間帯だ。
「先輩....今日って何時ぐらいに解散しますか....」
そう尋ねると先輩は不思議そうな顔をして少し考えて、
「あー、俺門限とか無いに等しいから普通にしてたけどお前はそうじゃないもんな。何時までなら平気なんだ?」
逆にそう尋ねられてしまい、戸惑う。
そういうのは別に決まってないけど....あんまり遅くまで出歩くのはよくないと思うから....
「6時....くらいですかね....今の時期は....」
真っ暗にはならないけど結構暗くなる時間帯。
そのぐらいでちょうど良さそうだ。
「くらい、ってお前も結構ふんわりしてんな。わかった、それまでには解散しねえとな。言ってもあと1時間ぐらいしかないな。」
「そう....ですね....すみません....」
「いや、こっちこそ、その辺確認してなかった俺が悪いしな。ま、時間が近づいてくれば家まで送ってくよ。」
「え....そんな、迷惑になるんじゃ....」
というか帰る途中で2人と合流しようと思ってたから送られても....
「いや、お前1人で電車に乗せたくない。今の時間帯なら電車も混んでんだろ、多分。」
「で、でも....」
「俺が送りたいんだ、ダメか?」
っく....そう言われると断りにくい....!
どうしよ....もうお願いするしかないかな....面倒だけど....
「わ、わかりました....お、お願いします....」
「おう、任せとけ。お前ん家ってどの辺だったっけ?」
「あ、え、えと....行きながら説明します....」
「頼んだぞ。」
その後少し話をしてお店を出て、どこの駅で降りるかを説明して、最寄り駅まで少し歩く。
「せ、先輩のお家って最寄り駅どこなんですか....?」
「ん?俺か?俺は....」
尋ねて返ってきた答えは自分の家の最寄り駅とはほぼ真反対の駅の名前。
「え、そ、そんな....やっぱり送ってもらうのは....」
「いーんだよ。門限なんてあってないようなもんだし、家帰ったってやることなんかないんだからこういう日ぐらい送らせろ。な?」
そう言われてしまうと弱い。
「そ、そう、ですか....ありがとうございます....」
「おう、ほら、行こうぜ。」
そういって先に進む先輩の後をついて行きながら改札を通り、駅のホームへおりる。思いの外人がいるな。
そう思っていると、自分が乗る電車がきた。
「遥、乗るぞ。」
「っあ、は、はい、」
呼びかけられて電車に乗り込む。
電車に乗るのは初めてではないがこの人がたくさんいて押される感覚はいつになっても慣れない。
下手に真ん中の方に乗ってしまったり、逆に人に気付かれないような端に乗ってしまうと痴漢被害に遭うことも少なくない。だからあまり好きではない。
便利ではあるが、自分としては面倒を引き起こす可能性が高いから、徒歩で移動できるのならそうしたいところだ。
でも今日は行きも帰りも知り合いが近くにいるからまだ安心できる。
....まぁ、先輩に痴漢される可能性がゼロではないのが嫌なところだが。
でもこの人はそういうことはしなさそうだ。やるなら人目につかないところで....みたいな感じ。
あー、早く家に帰りたい。
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