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歪んだ愛
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「へぇ.......あいつか....やってくれたね....ほんと.......てことはやっぱり君は巻き添えをくらったわけだ。こんな怖い思いをさせられた原因の遥がさぞかし憎いだろうね?」
そういってニヤッと笑う。何が面白いの....?
「それは....絶対にない....。遥は大事な友達....僕の話を気味悪がらずに聞いてくれて、肯定してくれた、優しい....友達....あ....おい.......くん....?だっけ....遥のこと悪くいうなら....もう....僕出ていく....から....」
そういって立ち上がろうとすると、面白そうに笑って、
「ごめんごめん。少し試した。君は平気そうだ。気を悪くしたらなら謝る。」
そういって軽く肩に手を置いて、また同じところに座らせる。
「ため....した.......?」
「うん。俺ね、遥のこと家族なんかよりも大事だと思ってるから。遥と一緒にいさせても大丈夫か試したの。ごめんね?でも、君は遥と同じだ。だから、見極める必要があるかと思った。」
「おな....じ....?」
「うん。君は男の人にトラウマ、あるでしょ。見た感じだと....虐待とかよりもいじめ....って感じかな。」
いきなり見透かされて体が強ばる。
「ふふ、あたり?その感じだと遥の話も聞いたでしょ。それでいて遥と仲良くしようとしてくれてるなら嬉しいね。」
「ぇ....ぁ....うん....」
この人は....何を見ているんだろう....
全てを見透かしているような....
「ふふ、動きが初めてあった時の遥に似てるの。あと体のあちこちにある傷も。断言は出来なかったけど、話を聞くだけでもしておいてよかった。君は大丈夫そう。もう家に帰ってもいいよ。」
「ぇ....あ、あの....さ.......蒼....くん....は遥にとっての....なん....なの....?」
恋人ではない。
一ノ瀬くんがいるし、遥は二股なんてするはずがない。
かといって血が繋がっているという感じでもないし、ただの友達にしてはどこか歪んでいる。
「んー....なんだろうね。家族....って言いたいところだけどそれは違うね。俺は遥以外のものはどうでもいい。遥に害を加えるものを決して許さない。」
そういって少し笑った顔が、とても寂しそうに感じた。
でも、その笑顔は何者をも寄せ付けないようなオーラを纏っていて、これ以上、何も聞けなかった。
「そう....かえる....ね....」
そういって、部屋をあとにして、家路に着いた。
いつの間にか薬の効果は切れていた。
蒼....くん....か.......不思議な人だ。
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