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手と手
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そしてそのまま電車から降りて目的地だった本屋さんに向かう途中、何故か真にトイレへ連れ込まれた。
「し、しん.......?」
「ごめんね、さっき、おしり触られてた....でしょ?」
「っ.......」
気付かれてた。
どうしよう、帰りたくないよ....
「電車の中で痴漢ってワード出すのはちょっとあれかなって思ったしハルも嫌だろうから駅に着いてからにしようって思ったんだ。気持ち悪かったでしょ?ごてんね、我慢させて」
「いや.......大丈夫....だけど.......」
「触られただけ?....あ、言いたくなかったら言わなくてもいいよ」
優しく微笑んで頭を撫でられながらそう言われる。
「ん.......大丈夫。触られただけ。でも、また会おうねって.......いわれ....た。」
あの時の声を思い出して鳥肌が立つ。
「嫌なこと思い出させてごめんね。どうする?家帰る?」
そう言われて、食い気味に、
「やだ....!こんなことで.......かえるの....や.......」
「そう、しんどくない?大丈夫?」
「うん......真がいるから平気。」
「そっか、じゃあ続けよっか、デート。」
その単語を出されて顔が熱くなる。
真もデートだって思っててくれたんだ....そう思って嬉しくなる。
「うん.......!」
そう返事をして、トイレの個室から出ようとすると、腕を掴まれてどうしたの?そう聞こうとして後ろを振り返った時、おでこにちゅ、とキスをされて、
「ふふ、かわい。次から電車乗る時は壁際に乗ろうね」
そう言って微笑んだ。
「っ.......かわいくない.......けど、ありがと.....」
そうして、トイレから出ていき、駅の中を少し歩いて本屋さんに向かう。
真の隣を歩くのが楽しい。
そして、やはり週末なだけあって人が多い。はぐれないようにしないとね。
そう思った時ふと目に入ったのは真の手。
.......繋ぎたいなぁ....なんて。
外で手つないだら目立っちゃうかな....?
で、でも、僕の容姿って女の子みたい....なんだよね.......?なら、手繋いでもおかしくないかな....?
色々と考えをめぐらせているうちによくわからなくなってきた。
もういいや、繋いじゃえ....!
思い切って真の手をとって、軽く握ってみる。
すると、真は驚いたようにこっちを向いて、すぐに微笑んで指を絡めてきた。
こ、恋人繋ぎって....やつ.......??
繋ぎ返してきてくれたのが嬉しいのと、単純に恥ずかしいので顔が熱くなる。
あー、好きだな。ほんと。
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