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親戚
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そこからまた少し時間が経ち、両親のお墓参りに行く日になった。
今日は丁度土曜日で、ゆっくりお墓参りができそうだ。
朝ごはんを食べ、出かける準備をする。
丁度いい機会だ。前の家に寄って持ち物を回収してこよう。ずっと行けていなかったからな.......
「真、お墓参りのあと前の家に寄ってもいい?」
「うん。もちろん。どのくらい荷物あるの?ここからそんなに遠いわけじゃないからそんなに多くないなら平気だろうけど....」
「あ、大した量じゃないから大丈夫。衣服とパソコンくらいなもんだから」
パソコンもノートだし持てないことはないだろう。
「そっか。」
「うん。真は準備できた?」
「あ、もう出ても平気だよ。そろそろ行く?」
「うん。行こう、」
そういって玄関に向かい、2人で駅までの道を歩きだす。
「お墓はどこら辺なの?」
「そんなに遠くないよ。最寄り駅から電車で3駅くらい....かな?そこから少し歩いたところに霊園があって、そこに2人のお墓がある。お金自体は遠縁の親戚が支払ってくれてるみたい。」
「そうなんだ.......というかひとつ疑問なんだけど、父さんがハルと養子縁組を組むためにその遠縁の親戚の方の家を訪ねたらしいんだ。その時に書類にサインしてもらったりしたらしいんだけど、ハルはそこの家じゃなくてうちに引き取られるのでもよかったの?もう今更遅いんだろうけど、気になったから」
「.......あの人たちのところに行ったの....?教えてくれれば僕もちゃんとついて行ったのに....悠斗さんには申し訳ないことしちゃったな.......」
「いや....僕もよくわかってないんだけど、僕自身父さんがそこの家を訪ねるってことは知ってたんだ。でも終わるまでは絶対にハルには言うなって言われてて....」
「あ....そうだったんだ.......」
気遣われてる....な。
遠縁の親戚の人たちは僕のことをよく思っていない。
昔から母や父は親戚との関わりを絶っていて、幼い頃自分はなぜ祖母や祖父と呼ばれる人たちと会ったことがないのかずっと疑問に思っていた。
だが、両親を亡くした時、引き取る余裕がないから、とかうちの子に突然兄弟ができるのはちょっと....とか色んな理由をつけて叔母さんたちを丸め込んで僕をあの家に引き取らせる様子を傍で見ていて、自分自身がよく思われていないことを悟った。理由は未だによくわからないが、別に知りたいとも思わないしいいか、程度に考えていた。
でも、ここで悠斗さんに迷惑がかかってしまうならば別だ。
なにかされたりしていないだろうか。
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