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出逢い ー前編ー
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「あーあ……また渋滞か……」
夏の暑いある日
僕達家族は
母の実家に向かっていた
今住んでいるところは山や海に囲まれ、
人口も少なくのんびりとした場所にいるため、
母の実家は都会の方なので
向かうまでは6時間ほどかかった
「ねーあつーい」
妹が駄々をこねる
「そんな暑い?」
姉が首を傾げる
「普通じゃない?」
母もそう言う
「いや、彩が言うんだ暑いんだろう?
エアコンもう少し下げるか?
お前ら別に文句ないよな」
父がそう言ってエアコンの温度を下げる
妹の言うことならほぼなんでもする父
俺や姉、母が
なんと言おうがほぼ何も聞き受けてはくれないのに
妹のことだけは言うことを聞く
ー……全く理不尽なもんだー
そう思いながら窓に頭をあて、
ゲーム画面を開く
途中でやめている旅のデータ
明くる日もずっと進めた
正直何が楽しいのか分からず
ただ、周りの人間と同じものをして
共感を得て、
人生を楽しんでいるように
生きていた
「……あいつらさえ来なきゃ
俺だって……」
まだ笑えたのに
と思う
小学校が合併した
人数が少ないためである
そのせいで俺らの学校は元々
いじめや悪口なく、
みんなで学年問わず笑って外で遊んで
話をして楽しく居たのに
合併してきた悪ガキどものせいで
その環境はどんどん崩れていき
誰かの悪口を言って笑って言っていた
俺もその標的にされた
初めは気にもしなかったが
自分の幼馴染でさえ
何人かそっち側に行ってしまった
それがどんなに辛いことか
自分では頭を抱えることしか出来なかった
友達を失い
今はどんどん気持ちが暗くなっていた
見かねた祖父が
「どこか旅行にでも言って気分転換させろ」
と一言言った
それでこのような旅行が決行された
「……綺麗だな」
橋を車が走る
海が綺麗でつい見とれる
ー……なにかこの旅行中に。変われたらなー
なんて言いながらゲームを再開した
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