アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
出会い
-
「これからよろしくな」
そういって出された手をそっと握った。
新しい家、新しい場所、新しい景色。
僕の越してきた家の隣には、丁度僕と同い年の男の子が住んでいた。
さらっとした感じの黒髪に、気の強そうな目。
「僕、陽貴っていうんだ。君は?」
「俺は友也。」
「友也かぁ...トモちゃんって呼んでもいい?」
「ちゃん?俺男だけど...まあいいや。俺も陽貴のこと、ハルって呼んでいい?」
「うん、いいよ。よろしくね、トモちゃん!」
それから毎日のように僕らは一緒に遊んだ。
学校でも、家でも、休みの日も。
怪我や病気をすれば、それこそ死ぬほど心配したし、一緒にいれない時は、退屈で、寂しかった。
それほど僕たちは_____少なくとも僕にとって、トモちゃんは、大切な存在になっていた。
......それが、少し怖くなった。
トモちゃんも僕も、ずっとこのままじゃいけない、このままじゃ駄目だ。そう思って、高校はわざとトモちゃんと違うところを選んだ。
「トモちゃん、僕、トモちゃんのこと好きだよ。」
いつだっただろう。小学生だっただろうか。
まだ幼かったあの日、僕は突然そう口にした。
トモちゃんは、一瞬キョトンとした顔をすると、すぐに柔らかい笑顔で、
「俺も。俺も、ハルのこと好きだよ」
って、答えてくれた。それがたまらなく可愛かったのを覚えている。
ああ、そうだ。そうだった。
僕は、このときから....
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 9