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「あなたのことが、好きなんです。」
少女漫画やドラマくらいでしか、聴いたことの無い台詞。
僕の目の前に立っているのは、背の低い方の僕より、更に背の低い、可愛らしい女の子。
ふわふわした栗色の髪を緩いサイドテールにして、ピンクのシュシュで止めている。
これが、後悔ってやつなのか。
これはもしや、今までトモちゃんに何も伝えなかったことへの罰なんだろうか。
トモちゃんに会うために、わざと家を出る時間を調節したり、まるで彼女であるかのように、スタンプ一つだけの返信をしたり。
いつまでもいつまでも、そんなことをこっそりするだけで満足していた。
それがダメだったのは分かっていた。
暫く黙りこくっている僕に彼女は言った。
「返事は、今じゃなくて、いいです。」
去っていった後ろ姿を見ている今の僕には、この好意を拒否する資格なんてないと思った。
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