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教室は4階、職員室は1階…
エレベーターでもあればいいのに。
もちろん、こんな公立の小さな高校ではそんな便利な物など存在する訳もなく
心の声がもしかしたら声に出てたかもしれない。
流石に教師1年目にして独り言ヤバい奴とは思われたくねー。
なんて頭の中(に留められてるはず)でブツブツと呟きながら階段を降りた。
教師生活も、はや三ヶ月と半分。
自分で言うのも何だけど、なかなか自分に向いてる仕事じゃないかと思ってる。
生徒にも嫌われてる感じはなくて
というか、むしろ歳が近い事もあって接しやすい方ではないかと自信過剰な俺の脳は自惚れているくらいだ。
それに教師には生意気だけど可愛いとか言ってくる暑苦しいのが何人かいる
連絡先交換せがまれたりもしたと思う。
クラスのグループには入らざるを得ないから
そこから入手したであろう顔も名前も知らない奴らから
100件位メッセージが届いてるのは――…
勿論未だに既読をつけてない。
自分の受け持ったクラスのやつ以外は
誰一人顔も名前も覚えてねーし、覚える気もねー
どこかに美女でも転がっていないだろうか。
教師はもう諦めたから学生でも。
見ているだけで元気になるような
そうだな、髪が長くて強気で照れ屋で……
―――パタパタパタ…
ようやく2階まで降りたところ
俺の花畑と化した思考を現実に引き戻すように
来客用スリッパの音がした。
……なんだ?
この階は応接室や会議室のような外部の人間が立ち入る部屋は無いはずだ。
スリッパ履いてる教師なんていたっけな…
不思議に思い、音のする方に目をやる
廊下の向こう
使われていない自習室や美術準備室がある辺り
そこには見たことの無い…フワフワ頭の男がいた
フワフワは不思議そうにそちらを見る俺に気がついたみたいで
パタパタと音を立て走って来る
…誰。
「っあの…!!用事を済ませていたら迷ってしまったのですが…職員室はどちらにありますでしょうか…??」
軽く息が上がっているにもかかわらず
見た目にわかる程上質なジャケットを羽織っているにも関わらず
汗ひとつかいてないどころか
ほのかに甘い香りなんかを纏い、俺の前に立った男は言った
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