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HR前に淹れておいたぬるいコーヒーを啜りながら声の聞こえる方を見る
長いまつ毛、筋の通った高い鼻に白くて細い首。
ふわりと揺れる栗色の髪は天パだろうか
……まあ一言で言うなら
女みてえな見た目だな。
氏原と呼ばれたその男は少し小柄な所を除けば、誰もが認める”イケメン”の部類に入る人物だろう。
保健の先生っておばちゃんばっかなイメージだったから
なんか変な感じするわ
「おっは〜。何?高木くんたら初日からもう仲良くなったの??若い子は違うわね〜」
肘でコツンと突いてくるのは隣のクラスの担任。
鳴海という苗字から、生徒たちにはナル先生と親しみを込めて呼ばせているらしく
何故か教師の俺にもそれがうつった。
何かと新米教師の俺を可愛がってくれるから、有難く世話になっている。
ただ、正直このテンションはかなり苦手だ。
「ナル先生…朝から元気っすね。
俺はただ、2階で迷ってたのを見つけただけっすよ」
目も合わせず応える
「2階で??保健室だって1階なのに?」
見向きもしない俺に苛立ったのかナル先生は俺の手からコーヒーを取り上げ、グッと顔を寄せてきた。
ちけーし
ねみーし
コーヒー返せ…。
「や…俺に言われても知らねっす」
「へぇ〜?……うん…………もしかしたら出会うべくして出会ったのかもしれないわねっ」
そう言って自分の引き出しからおもむろにシュガースティックを取り出し
俺のコーヒーの中に…………
サーーーーッ
「っは!!!?」
思わず出たその声が、職員室中に響き渡る。
次いで室内の殆どの人間がこちらを振り返る音…。
いや、これは俺が悪いんじゃない
せっかく一番いい温度だったのに。
今から淹れたら軽く30分はコーヒーお預けだ。
猫舌にも程があるだろってくらい熱いのが無理な俺は
毎日このぬるまったブラックコーヒーを飲んでなんとか目を冷ましていた。
…たまったもんじゃねえ
朝から気分は最悪だった……………。
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