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――音楽室から外を眺め、使われていない楽器の掃除を適当に…それが今日課せられた業務のラストを飾る
はずだった。
「高木先生ー!1年が酸欠で倒れた!」
「はぁ?」
吹奏楽部の副顧問を任されてはいても、
俺のやることは特にないので
普段は職員室でコーヒーを啜っているのだ
が。
なんで顧問が出張の日に限ってこんなことが起こるんだ…
息の使い方下手くそ過ぎだろうが。初心者め。
同パートの数人が囲う中、横たわる生徒は顔色が悪く
力も入らないようだった。
流石にやべえだろこれ…
大丈夫かと声をかけるが反応は悪くて
…っあーもう仕方ねえな。
「スカート短えからなんか布くれ。セクハラとか言われたらたまんねー」
近くの部員からブランケットを受け取ると
肌に触れないよう器用に担ぎ上げて1階のそこを目指した。
今日一日嫌でも耳に入ってきた名前の男が居るであろうその場所へ。
生徒は相変わらず力が入らないようで
階段ですれ違う生徒は血相を変えてこちらを見てきた。
生徒がこんな状態でも冷静さを失わない所は自分でも驚いた。
でも、それは多分
俺がそれだけ冷たい人間だという事で。
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