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氏原side‥
扉をあけるとそこに立っていたのは、一人の女子生徒を抱えた高木先生だった
こんな脱力しきった生徒を軽々と持ち上げられるなんて
もしかして隠れマッチョなのかな?
女生徒に目をやると、顔色が悪く意識も朦朧としている…。
副顧問の高木先生が連れてきたということは
吹奏楽部で間違いないし
軽い酸欠かそんなところだろう
こんなもの放っておけば時期に良くなるのに…
それを知ってか知らずか、高木先生の顔色は一つも変わらない――
どころか
一向に動く気配がない。
…ん?
「…高木先生?あの…?
彼女を連れてきたんですよね?」
「、あぁ…」
思い出したように彼女をベッドへ寝かせると
気怠そうに近くのソファーに腰をおろした。
…歩く時、足引きずるよな。
すっかけただけのサンダルで、
かかと部分をスライドさせながら前に進む
すぱーん、すぱーんってそんな感じの足音がまた、
この人に似合っていて心地良い
多分歳は近いか…少し上だと思うけど
本当絵になる人。
迷っていた時あなたを見つけたのは
何かの運命だと思いたい
なんてロマンチストな思考はそろそろどうにかしたいものだが、幼い頃から妹とずっと一緒にいたせいで
読む本から遊ぶ相手まで女の子らしいものばかりだった。
――正直、彼には一目惚れだった
今日一日、どこにいても目を惹く彼は何だかつまらなそうで
人と会話こそするものの、目も合わせず、作られた笑みを浮かべていた
まあ…これで愛想が良かったらそれこそ生徒や教師でさえも黙っていないだろうから
ちょうどいいんだけど。
朝、ほんの数秒握ることを許してもらえた
僕より少し大きな手
もう一度その手に触れたくて、それだけを考えて高木先生の腕に触れた。
やっぱり、細くて長くて爪の形まできれい
うっとりソレを眺めていると、唾液を飲み込む音が漏れた
あ、やばい
怖がらせたかな
彼を見ると、驚いたように見開いた瞳
――あ、初めてちゃんと目があった。
手を触る理由として不自然ではないだろうか
会話の流れは自然だろうか
少しの不安と恥ずかしさを紛らすため、
昔の記憶を辿りながらウンチクを連ねた
指に優しく触れながら、一点だけ皮の厚いソコを触ると思い出すのは
今はいない、大切な僕の妹の事で
懐かしさと同時に少し目頭が熱くなった。
消えない胸の傷跡が、ズキリと痛む。
「もー!!ちゃんと聞いてましたかー?」
いつもの笑顔を意識した。
上手に出来ているだろうか
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