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「おっは〜っ
今日も今日とて眠そうなお顔しちゃってもう!
高木君はもちろん参加よね〜?」
朝からそんなテンションなのはお前くらいだ。
なんて言葉すら口にするのが面倒な朝
「まあ…そのつもりっすけど
…ナル先生も出るでしょ?」
ナル先生は家が近いのでこういう会ではいつも迎えに来てくれていた
酒が苦手らしく、車で行くから乗せるよと言ってくれたのはたしか4月の俺の歓迎会。
そこからは何度かお世話になっているから参加するなら甘えようかと思ったのに。
う〜ん、と眉間にシワを寄せるのは意外だった。
「行くには行くけど、仕事溜まっちゃってるのよね
少し遅れていくと思うわ〜…だから申し訳ないんだけど、電車で行ってくれる?」
指差す方向を見ると山になった参考書や、問題集にプリント。
最近知ったのだがナル先生の教え方はわかり易いらしく、
担当していないクラスや別学年の生徒も頻繁に授業内容を聞きに来るらしい。
一番上にあったプリントに目をやると、
氏名欄はすでに印刷済みだった
てことはこの人…一人ずつ作ってんのか…
丁寧な人だから、ちゃんとこういうの作るんだよな
面倒だけど。駅まで地味に距離あるからすごい面倒だけど
俺だって教師の端くれだ
生徒の頑張りに応えようとするナル先生に、
わがまま言うのはダメだと思った。
「あら?コーヒーが真っ黒じゃな〜い」
サーーッ
「??!?!?」
今日は砂糖じゃなくて粉末状のミルク。
いや、いつも黒いし。俺ブラックしか飲まないし。
ちょっといい人だと思って見直したのに。
頑張り屋さんがバレた照れ隠しだろ、どうせ。
とか言うと更にコーヒーが甘ったるくなる気がして
クリーミーになったコーヒーを、嫌そうな顔をして飲んでやった。
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