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正直、店に着くまでの記憶はなかった。
同じ場所へ向かうのだからと
駅までは隣を歩き、同じ電車に乗った
会話も少しはしたと思う。
俺達は予想外の出来事をすんなり受け入れる事が苦手らしい
…と言ってもたまたま同じ職場の人間が同じマンションに住んでいたというだけなのだが
今まで始業ギリギリに学校へ行き、ダラダラと残業をして帰っていたから
フワフワとはまったく顔を合わせることが無く、
このときまで気付かなかったらしい
もっと早く知っていれば、USBなんてここまで来なくても渡せたのに……って
ここまで一緒に来たのに渡すの忘れてた…。
飲み会の会場は少しおしゃれや居酒屋で
もう殆どの教師が集まっていた。
席は空いているところに適当に座っていく感じだった
その中には…遅くなると言っていたナル先生の姿もあった
「ちょ、先生なんでもういるんすか。遅れるんじゃ…」
「まぁねん、土日もあるしせっかくの会に遅れていくのも何だか寂しいじゃない?」
いつもの癖でナル先生の隣に向かうと右手を前に出し、ストップというジェスチャーをかけられた
「ちょっと~?こっちは吸わないゾーンなんだから
高木くんはあっちでしょ!!」
まわりを見渡すとたしかに、ナル先生達のすわるテーブルには喫煙者がいなかった。
部屋は喫煙可でも暗黙の了承というか
一応は配慮されているらしい。
ナル先生は別に非喫煙者ってわけじゃないけど
この間ちょうど一緒になった喫煙所で、
食事のときはご飯が不味くなるから吸わないように心掛けてるのよって自慢気に語ってた気がする。
渋々もう一つのテーブルに移動すると、もう残り1つしか席は空いていなかった。
もう、ここまで来ると運命とか腐れ縁とか
形のないものを信じてもいいような気がするが
空いている席はフワフワの隣ただ1つだった。
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