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「お疲れ様です~」
「ごちそうさまでした~」
「今タクシーを…」
俺とフワフワは当然のように3次会まで付き合わされ、
終電を逃した教師数人とタクシーを待っていた。
何だかんだで楽しく飲んではいたが、ようやく家に帰れると思うと安堵のため息が漏れた。
ナル先生を探すが見当たらない所を見ると
忙しくしているのは本当らしい。
今頃個別のプリントでも作っているのだろうか
その時、肩にコテンと誰かの頭がぶつかった
「あいてて…たかぎしぇんしぇ…すいまへ…んへへ」
おでこを押さえてこちらを見るのは、もはや呂律すら危ういフワフワだった。
あまり顔は赤く無いが、表情や動きを見ても完全に酔っ払っているのがわかった
赤くならない体質のやつって、結構無理して飲まされがちなんだよな…
「何ムリしてんすか…」
軽く頭をなでてやると、フワフワの細い指で、
器用に絡めとられた。
それをそのまま頬にすり寄せ、満足そうに目を閉じる…
顔は先程に比べて少し赤みが増していた
可愛いな…
この感情を抑える理性は、酒のせいで何処かに行ってしまったんだろうか
酔いが覚めるまで
こいつと離れるその時まで
”好き”
という湧き上がる感情に正直になっても許されるだろうか
―俺はなんて自分に甘い生き物だろう
「高木先生、氏原先生~!遅くまでありがとう。
2日間しっかり休んで、月曜からまた頑張ろう」
髪量の乏しい頭頂部までも赤く染めた教頭が
扇子をあおぎながら俺達をタクシーの前まで見送ってくれた。
そうか、普通に考えて同じ所に住んでるんだからタクシーも一緒なんだよな…
”好き”を自覚してしまった俺の隣に座る、その男は
こちらを見て、ふわっと笑った。
俺は思わず抱き締めたくなるのを堪え、
優しく頭をなでてやった
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