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氏原side‥₁
僕程では無いにしろ、高木先生もお酒には強いらしく
お金を払う手つきも、運転手に対する言葉遣いも丁寧で、やっぱりかっこいいなあ…なんて思った。
運転手に軽く礼を言い、高木先生に続いて車を降りようとすると、先に降りた彼は、僕に手を差し出した。
「…え?」
「…降りれますか?あの…手、掴んでていいですから。
ほら、保健の先生に怪我でもされたら…誰が生徒の面倒見るんすか」
…もう、どこまでも
僕の心を乱すのが得意なんだから。
僕より温かい彼の手に包み込まれれば、僕のソレにもじんわりと温もりが伝わり、やがて2人の体温が馴染む
「…僕がコケたら、高木先生が面倒見てくださいね」
「そっすね、オキシドールくらいなら化学室にもありますから、いつでもどうぞ。」
そう言い終えるが早いか動くが早いか
僕の身体を支えていた手が突然フッと離れた。
っわ、やばい…まじでコケる
瞬間、背筋に嫌な汗を感じた…
―のも束の間で、グラついた僕を、高木先生は抱きしめるように優しく、そして力強く受け止めた。
かと思えば、プッ…と、堪えきれずに吹き出した
「なっ…こ、こんなの、酔ってなくてもっ…コケるでしょうがぁ…っ」
「はははっ…すいませんつい…っクク…」
子供のように無邪気な顔をして笑う姿は月夜に照らされ、
いつもの何倍も輝いていて、とてもとても美しかった。
さっきの意地悪なんてもう忘れて、ただただ見惚れてしまう自分はきっとどうかしている。
本当に、どうしょうもないくらいに…この人が好き。
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