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氏原side‥₁
「………た、高木先生の…えっち」
そう言いながら顔が赤くなるのがわかったけど、それを隠す余裕も言い訳する余裕も無かった。
顔を赤く染めて石みたいに固まる高木先生を、
強引に押し退けて浴室に逃げ込んだ。
高木先生は優しいから、きっと気を遣ってくれただけ
…わかってる。わかってるけど………
…い、いきなり、は、流石に…っ。
まだ熱い顔に手を当て、ギュッと目を瞑った。
はぁっ…と溜め息をつきながら曇った鏡にシャワーを当てると、透き通ったそこに自分の体が映る。
こんな汚い身体…見せられるわけ、ないし……。
白い腕にビッシリと残る傷痕は、嫌でも目に入る。
日に日に増え続けたソレは、色んな方向から、色んな深さで、いくつもいくつも重なり、手首や腕を埋め尽くしていた。
…そんな汚い腕で、胸元に手をやる。
そこには取り分け目立つ、ビッシリと縫い目の残る痕。
これは、妹が僕に残したものだった。
あの日から、妹は僕を避け続けている。
あの時は痛みより悲しみのほうが強くて
遠のく意識の中、君に届かない声でごめんね、ごめんねと口を動かし続けた。
真っ赤に染まっていく自分の身体を今でも鮮明に覚えている。
あと数ミリ深ければ死んでいたと聞いた時には、
どうして死ねなかったのかと酷く悔やんだ。
君のことをすべてわかった気でいて傷つけてしまった。
君を壊す原因となった。
それからだった。
毎日毎晩、自分の身体にカミソリを当てるようになったのは。
そうしないと眠れなかった
かつて君を愛し、君に愛されていた一人の男…
君が壊れ始めた原因である人物。
どこの馬の骨ともわからない”やすくん”と、
最後にとどめを刺してしまった僕。
この二人を僕が許すことはない…。永遠に。
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