アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
34
-
氏原side‥₂
「氏原先生……さっきは、その、すみません…別に変な意味でああいうことしたんじゃなくて…」
突然の声にハッとして振り返ると、すりガラス越しに黒っぽい陰が見えた。
「い、いえ…僕こそ変なこと言ってしまって…」
数刻前の記憶がよみがえり、再び顔が熱くなるのを感じた。
「着替えとタオル、ここ置いとくんで使ってください…。
あ、下着はちゃんと新しいのおろしたんで…サイズはたぶん大丈夫だと思うけど…」
「…ふふ。お気遣いありがとうございます。使わせていただきますね」
軽く返事をして影はスっと消えていった。
”やすくん”
その呼び名が引っ掛かっていた。
……まあ、詳しい年齢も出身もなにも知らないヤツと勝手に繋げようとしてしまうのは、学生時代にドラマを見すぎた故だ。
以前は勉強として取り込んでいた知識が、好きな人を疑う鍵になるのは…うん、よくない。
完全に考えすぎだ、と言い聞かせて自分を納得させた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
34 / 448